マニュアルを電子化する方法は?メリットやデメリット、作成ツールも紹介

紙のマニュアルをスキャンやWebページ作成などの方法でデータ化し、端末で閲覧できる状態にするマニュアルの電子化は、社内の業務効率化、標準化を促進する上で有効な取り組みの一つです。

 

マニュアルの電子化によって従業員が作業内容を理解しやすくなると、ムダな業務時間やコストが削減されて生産性が向上し、継続的に安定した製品・サービスの提供が可能になります。

 

本記事では、マニュアルを電子化する目的やメリット・デメリット、電子化を進める方法と具体的な手順を解説します。

 

マニュアルを電子化する目的

マニュアルを電子化する目的は、紙のマニュアルでは伝わりにくかった作業をわかりやすく伝えることや、修正や更新を迅速に行い、常に正確な情報を全従業員に伝え、業務の効率化と標準化を促進することです。その結果、無駄な作業や紙資源のコスト削減にもつながります。

 

紙のマニュアルは、自由な書き込みやページの行き来がしやすい一方、必要な情報を見つけたり、内容を更新したりするのに時間やコストがかかるデメリットがあります。マニュアルの使い勝手が悪く情報も古いままだと、各従業員の作業レベルが統一されません。

 

しかしマニュアルを電子化することによって、更新の手間もかからずに正しい情報を伝えられれば、従業員の業務効率化、標準化にも寄与します。

 

ムダの削減によって生まれた時間を品質向上のために必要な業務にあて、従業員のスキルアップも図ることで、さらに良質な製品・サービスの提供が可能になり、顧客満足度を高められます。

マニュアルを電子化するメリット

マニュアルを電子化するメリットは、以下の3つです。現場でマニュアルを閲覧する従業員はもちろん、更新作業の負担軽減やコスト削減など、管理者や企業にとってのメリットもあります。

 

  • 必要な情報をすぐに探し出せる
  • 管理や修正、更新が容易になる
  • 紙やマニュアルを用意する人件費の削減になる

 

上記のメリットを踏まえて電子化を進めると、現場の作業だけでなく従業員教育やデータ更新時の情報共有も容易になり、各部門の生産性向上に繋げられます。

必要な情報をすぐに探し出せる

マニュアルを電子化するメリットは、複数人が同時に異なる端末で閲覧したり、キーワード検索したりすることで必要な情報をすぐに探し出せることです。

 

紙のマニュアルだと、まず目次から必要な情報が記載されている項目を見つけ、該当ページまで紙をめくらなければなりません。しかしマニュアルを電子化すると「請求書 発行 手順」や「設備点検 記録」など、キーワードを検索窓に入力するだけで見たいページにたどり着けます。

 

工場内の作業場はもちろん、端末にカバーを付ければ水の多い現場でも閲覧できるため、事務所や指定の棚へマニュアルを確認しに行く必要もありません。不具合が生じた場合もすぐにマニュアルを参照することで、誰かに質問する手間をかけずに素早く対応できます。

 

このように正しい作業方法を瞬時に確認できる体制が整うと、ムダな時間が削減され、実施する作業に集中できます。

管理や修正、更新が容易になる

マニュアルの電子化は、管理や修正、更新が容易になる点もメリットの1つです。マニュアルの変更があってもすぐに対応でき、常に最新情報を従業員に伝えられます。

 

紙のマニュアルの場合は、業務の見直しや新しい機械の導入、法改正などがあったときに軽微な変更であっても、マニュアルを回収、印刷、再配布をしなければなりません。しかしマニュアルので電子化を進めると、回収しなくてもすぐに内容を更新でき、使用するツールによっては、リアルタイムでの情報共有も可能です。

 

紛失や汚れ・劣化で見えなくなる紙特有のリスクも電子化によってなくなり、マニュアルを探したり再作成したりする作業が不要になります。

 

マニュアルの電子化によって、管理の負担や情報共有の遅れによる品質のバラツキが生じるリスクが軽減できると、業務効率化や標準化が進み、結果的に良質な製品・サービスの提供にもつながります。

紙のコストやマニュアルを用意する人件費の削減になる

マニュアルの電子化を進めることで、紙のコストやマニュアルを用意する人件費の削減にも繋がります。

 

紙のマニュアルの場合、新しいマニュアルを作成する時や更新の際に、都度紙を用意しなければいけません。一方、電子化されたマニュアルだと印刷やファイリング、配布などの作業を行う管理者の人件費、使用する紙のコストを抑えられます。

 

多拠点でサービスを提供する飲食店や宿泊業の場合、印刷・仕分け・配送などを担当する本社の手間やコストの削減にもなります。

 

マニュアルの電子化によって業務効率化が進むと、紙のコストや人件費が削減され、浮いた資金を製品・サービスの品質向上に向けた取り組みに活用することで、顧客満足度の向上や売上アップに繋げられます。

マニュアルの電子化によるデメリット

マニュアルの電子化によるデメリットは、以下の3つです。マニュアルを電子化すると業務効率化、標準化を進む一方で、場合によっては、利用に適さなかったり、工数や手間がかかったりする可能性があります。

 

  • 端末や用途によっては適さないことがある
  • システムエラーの影響を受けるリスクがある
  • 導入時、紙から電子への切り替えに工数が掛かる

 

3つのリスクを軽減する解決策も理解し、どの従業員でも使いやすいマニュアルを用意することが、電子化のメリットを活かす上で重要です。

端末や用途によっては適さないことがある

電子化されたマニュアルをスマートフォンやタブレットなど小型の端末で閲覧する場合、文字が小さく表示されて説明文が読みづらく、作業効率が低下する可能性があります。

 

紙のマニュアルは机の上に並べることで複数ページを同時に見れますが、電子化すると確認のために何度もスクロールしなければなりません。

 

従業員が紙のマニュアルで重要なポイントに線を引いたり、付箋を貼ったりしていた場合、電子化によってその作業ができなくなるため仕事のやりづらさにも繋がります。

 

どの従業員でも読みやすいマニュアルを用意するには、文字の大きさを調整するこおと画像や動画を増やすハイライトや書き込み機能が使えるツールを選ぶなどの方法で利便性を高めましょう。

 

作業環境や従業員のレベルに合わせて、あえて紙のマニュアルを残しておくことも、ストレスなく業務に取り組んでもらう上で大切なポイントです。

 

システムエラーの影響を受けるリスクがある

クラウド上にマニュアルを保存している場合、システムエラーやインターネット回線の不具合によって閲覧できなくなるリスクがある点もマニュアルを電子化するデメリットとして挙げられます。

 

システムエラーでマニュアルを見られなくなると、業務が円滑に進まなくなることもあります。もし、電子化したマニュアルのデータ自体が破損した場合は、復元作業や再作成が必要になるため、管理者の業務負担が増えて人件費やコストがかかる可能性もあります。

 

システムエラーの被害を抑えるには、定期的にデータのバックアップを取ったりオフラインでも利用できるツールを選んだりするなどの対策を事前に取りましょう。システムエラーの発生時に使える簡易マニュアルや紙のマニュアルを用意すると、電子データを見られなくても作業に支障が出にくくなるため、業務品質や生産性の大幅な低下を防げます。

導入時、紙から電子への切り替えに工数が掛かる

マニュアルの電子化によるデメリットには、紙から切り替えるための工数がかかることもあります。紙から電子への切り替えに必要な作業には、マニュアルに記載する情報を整理することや、スキャン・データ入力をすることなどがあります。有料ツールを利用して電子化する場合は、初期費用やランニングコストも必要になります。

 

工数を掛けずに電子化を進めるには、操作性の高さや機能の充実度を見極めた上で利用するツールを選びましょう。

 

例えば、動画を撮影するだけで、字幕や音声が自動で挿入されるようなツールを選ぶと、少ない工数で分かりやすいマニュアルを作成できるため、管理者の業務負担を大幅に軽減できます。

 

テキスト以外にも写真や動画を組み込めるツールを使えば、難しい内容でも従業員が理解しやすくなり、業務時間の短縮や作業レベルの統一が促進されます。有料のツールを使う場合は、予算も踏まえて検討し、効率的に作業を進められるシステムを導入することで、紙から電子への切り替えやマニュアル運用にかかる負担を抑えられます。

マニュアルを電子化する方法

マニュアルを電子化する方法には、以下の4つがあります。従業員にとっての見やすさはもちろん、管理者が作成しやすく情報共有も容易に行える方法を選ぶことが継続的な業務効率化、標準化を図る上では重要です。

 

  • スキャナーを使って紙からPDFへ変換
  • WordやExcel、PowerPointでデータ化
  • Webページの作成
  • マニュアル作成ツールの活用

 

電子化の目的や対象の作業内容に適した方法を選ぶと、紙よりも使いやすいマニュアルが完成し、従業員の利用率も高められます。結果的に業務のムダが削減され、顧客満足度の向上に繋がる製品・サービスの提供が可能になります。

スキャナーを使って紙からPDFへ変換

スキャナーを使って紙からPDFへ変換する方法は、専門的なPCスキルや知識がなくてもマニュアルを電子化できる点がメリットです。しかし紙を1枚ずつスキャナーに読み込ませる必要があるため、ページ数が多いマニュアルを電子化する場合は時間がかかる点は注意が必要です。

 

1ページあたりの文字数が多く、作業内容が見開きページで記載されているマニュアルだと、電子化することでスマートフォンやタブレットなど小型端末での視認性が低くなり、従業員が見づらさを感じる可能性もあります。

 

修正・更新にも手間がかかるため、スキャナーで読み取る方法は、説明文やページ数が少ない簡単な作業、変更の可能性が低いマニュアルの電子化をする時に活用しましょう。

WordやExcel、PowerPointでデータ化

WordやExcel、PowerPointなど社内のパソコンに標準装備されているソフトは、操作に慣れている従業員が多いでしょう。そのため新しいツールを導入するよりも、簡単にマニュアルの電子化を進められます。

 

Wordは、見出しや目次の設定が簡単であったり、PowerPointは、デザインの自由度が高かったりするなど各ソフトのメリットを踏まえ、作業内容に合ったツールを使い、電子化をしましょう。適したツールを使うことで、誰でも読みやすいマニュアルになり、業務効率化、標準化にも寄与します。

 

WordやExcel、PowerPointを使うときは、作成者によってデザインやフォーマットにバラツキが出ないよう、マニュアルの基本的な形式や作成方針について、事前に決めて、情報共有をしましょう。文字のフォントや表・図形の使い方などを揃えると、マニュアルを読んだ従業員が重要なポイントや注意点を理解しやすくなります。

 

マニュアルの原本や改訂版の保存場所も決めて全体で共有すれば、間違った情報が伝わることを防ぎ、製品・サービスの品質を高い水準で維持できます。

Webページの作成

Webページを作成すると、インターネット環境が整備されている場所であればどこでもマニュアルを閲覧できます。

 

URLを開くだけでマニュアルを見られる上、目次リンクや検索機能を使うことで必要な情報がどこにあるのかを探す手間が省けます。写真や動画も挿入でき、操作や手順が複雑な作業でも内容の理解がしやすくなります。必要な情報をすぐに見つけ出し、作業内容の理解も簡単になることで従業員の利用率が向上します。

 

ただし、一からWebページを作成するには、一定の専門知識が必要です。専門知識を有する従業員がいない場合は、簡単な操作でWebページを作成できるツールや、テンプレートを選ぶだけでマニュアルの基本形式を整えられるツールを活用しましょう。

 

Webページにマニュアルを掲載すると、更新する際も一斉に情報共有できるため、伝達漏れによる品質のバラツキを防げます。

マニュアル作成ツールの活用

マニュアル作成の専用ツールを活用すれば、簡単にマニュアルを電子化できます。クラウド上に保存できるツールの場合、マニュアルを作成、更新した際の情報共有も容易なため、管理者の業務負担も軽減できます。

 

あらかじめフォーマットが統一されており、パソコンやスマートフォンなど複数の端末で閲覧できる機能があると、誰でも見やすいマニュアルになります。

 

マニュアル作成ツールは効率的に電子化を進める上で有効な手段の一つですが、導入・運用にはコストがかかります。マニュアルを電子化する目的や期待される成果、必要な機能を整理し、自社の予算に適したシステムを選ぶことが継続的に生産性を上げて顧客ニーズを満たすためには大切です。

マニュアルの電子化を進める手順

マニュアルの電子化は以下の手順で進めましょう。誰に向けて、何のためにマニュアルを電子化するのかを決めることで、記載すべき情報や必要なツールを選びやすくなります。

 

  1. マニュアルを電子化する目的・対象業務を明確にする
  2. マニュアルの電子化に必要なツールを選ぶ
  3. マニュアルの構成や内容を考え、電子化する
  4. 本運用の開始後は定期的に更新する

 

マニュアルの電子化を正しい手順で進めると情報の抜け漏れが生じにくくなり、従業員の知識レベルに合ったわかりやすい説明で業務品質の向上を図れます。

1.マニュアルを電子化する目的・対象業務を明確にする

まずはマニュアルを電子化する目的、対象業務を明確にしましょう。「新人教育のコストを削減するため」や「熟練者の技術を広く周知するため」などの目的が明確になれば、誰に向けて、何の業務についてマニュアルを電子化するのか、どのツールを使って作成すべきか候補を絞り込めます。

 

新人教育のコスト削減が目的の場合、基本的な業務をピックアップして電子化を進め、困ったときにすぐマニュアルを見られるようデータの保存場所や、端末の設置場所を工夫すると、担当者が質問を受ける時間を短縮できます。

 

熟練者の技術を広く周知する場合は、高度な技術が求められる業務についての動画を組み入れることでコツや注意点がわかりやすく伝わり、従業員のスキルアップに繋げられます。

 

目的と対象業務を明確にしてから電子化を進めると、現場の従業員にとって必要な情報を漏れなく記載できるため、利便性が高まります。

2.マニュアルの電子化に必要なツールを選ぶ

次はマニュアルの電子化に必要なツールを選びましょう。フロー図を用いた説明が必要な場合は、Excel、画面サイズが異なる端末で閲覧する場合は、Webページや専門ツールなど、それぞれのメリットを活かして電子化すると、従業員がストレスなく読めるマニュアルを用意できます。

 

電子マニュアルの作成から共有まで一括で行えるツールを選ぶと、管理者の業務負担が軽減され、情報の伝達漏れを防ぎやすくなり、全体の作業レベルが安定して良質な製品・サービス提供に繋げられます。マニュアルの種類や一冊あたりのページ数が少ない場合は、社内で標準装備されているソフトや無料ツールを使うことでコストを最小限に抑えられます。

代表的なマニュアル電子化ツール

WordやExcel、PowerPointなどはコストをかけずにマニュアルを電子化できる一方、作るのに時間がかかる、端末によっては見づらさを感じるなどの懸念点もあります。

 

そこで有効なのは、マニュアル作成の専用ツールを活用することです。一定のコストはかかりますが、マニュアル作成・運用に関する機能やサポートが充実しているため、電子化を初めて導入する企業でも簡単に高品質なマニュアルを整備し、スムーズに業務効率化、標準化が進められます。

 

代表的なマニュアル電子化ツールの費用や特徴を以下の表にまとめました。動画作成やAIによる自動生成などツールによって特徴が異なるため、自社でどのような機能を求めているのかを整理した上で比較検討しましょう。

 

サービス名

初期費用

月額費用

特徴

カミナシ 従業員教育

問い合わせ

問い合わせ

・動画マニュアル作成の専用ツール

・スマートフォンで撮影や動画編集が可能

・AI翻訳、音声機能で外国人の教育も効率化

トースターチーム

100,000円

ライト:35,000円

スタンダード:60,000円

ビジネス:120,000円

・AIによるマニュアルの自動生成ツール

・マニュアルのQRコード化によってどこでも閲覧可能

・マニュアルの更新を促すリマインダー機能

EZLecture

1ライセンス:350,000円

3ライセンスパック:840,000円

5ライセンスパック:1,250,000円

買い切り型のため不要

・PowerPointのような操作感でマニュアルを電子化する専用ツール

・PC上での操作内容を自動記録してWordやExcelに出力

・動画上で従業員の注意を惹きつけるアノテーション機能を搭載

代表的なマニュアル電子化ツール

 

電子化の目的や予算に合ったツールを選ぶと管理者の負担をかけずに最適なマニュアルを用意し、効率よく従業員のスキルアップや業務品質の向上を進められます。

3.マニュアルの構成や内容を考え、電子化する

対象業務や利用するツールが決まったら、マニュアルの構成や内容を考えて電子化を進めます。紙のマニュアルをそのまま電子化しても問題ないかや、生産性を上げるために改善すべきポイントはないかをチェックし、従業員にも聞き取りを行い、内容を精査しましょう。

 

専門用語の多用を避けてわかりやすい言葉を使う、マニュアルを見ながら迷わず作業できるように具体的な説明を盛り込むなどの配慮も、従業員の利用率を高めて業務効率化、標準化を促進する上で大切なポイントです。

 

必要な情報が、誰でも見やすい形で記載されているかを繰り返し確認することで、紙よりも利便性の高いマニュアルになります。

4.本運用の開始後は定期的に更新する

質の高いマニュアルを整備しても、情報が古くなると品質のバラツキが生じたり従業員の混乱を招いたりして作業効率が低下します。そのため本運用の開始後は、定期的に見直し、必要があれば更新をして、最新の状態を保つことが重要です。

 

◯ヶ月おきにマニュアルを見直すなどのルールを設け、従業員へのアンケートやヒアリングを実施して現場の声を集めながら構成や内容を改善しましょう。

 

特に製造業の場合、品質管理への影響が大きい4つのMを表す人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method)で変更があった際は、作業中の事故や顧客とのトラブルを防ぐためにマニュアルの更新が必要です。現場の実態に合わせてマニュアルを最適化すると、高いレベルで業務品質を維持し、顧客満足度の向上にも繋げられます。

 

マニュアルの更新後は従業員に周知し、伝達漏れを防ぎましょう。マニュアルへのコメント機能が搭載されているツールを取り入れると、メールやチャットを使わなくても効率的に変更点を伝えられるほか、従業員がメッセージを見落とすリスクも軽減できます。

マニュアルを電子化するときの3つの注意点

マニュアルの電子化によって社内の業務効率化、標準化を進めるには、次の3点に気をつけましょう。マニュアルの利便性を上げるのはもちろん、情報の安全性も確保することで企業としての信頼を高められます。

 

  1. 現場の実態に合わせて紙のマニュアルも用意する
  2. 読み手を意識したレイアウトやデザインにする
  3. 情報漏えいなどのセキュリティ対策を徹底する

 

単にマニュアルを電子化させるだけで終わらせず、常に従業員の視点に立って改善を重ねる姿勢が社内全体の生産性向上や売上アップには不可欠です。

1.現場の実態に合わせて紙のマニュアルも用意する

複数のページを同時に見ながら作業しなければならないなど、現場の実態に合わせて、あえて紙のマニュアルも用意することも検討しましょう。全てのマニュアルを電子化するのではなく、作業環境に合わせて、紙 or 電子化マニュアルを選択しましょう。

 

従業員のスキルや場所に合わせて最適なマニュアルを用意すると、どのような状況でも作業効率や業務品質を維持しやすくなります。

2.読み手を意識したレイアウトやデザインにする

読み手を意識したレイアウトやデザインにすることで、マニュアルの利用率を高めます。その結果、誰もがマニュアルを確認するようになり、バラツキ防止や業務効率化につながります。

 

例えば、テキストの説明が多く業務の流れをイメージしづらい場合は、写真や動画を入れて視認性を高めることで、従業員は迷わず作業を進められます。

 

パソコンやスマートフォン、タブレットなど画面サイズが異なる端末で同じマニュアルを閲覧する際は、文字サイズやテキストの量を工夫することで、どの端末でも作業内容を理解しやすくなります。

 

検索時によく使われるキーワードを目次に設定したり、少ないクリック・スクロールで作業の全体像を把握できるように図解を入れたりするなども、従業員が短時間で必要な情報を入手するために必要な配慮です。

 

マニュアルに何が求められているのかを把握し、レイアウトやデザインを工夫することで、従業員の利用率が高まり、結果的にムダな業務の削減や作業レベルの統一に繋げられます。

3.情報漏えいなどのセキュリティ対策を徹底する

電子化されたマニュアルは持ち運びが簡単で、通信環境があればどこでも見られるのが利点です。一方で、不正アクセスやデータ改ざん、情報漏洩のリスクがあるため、セキュリティ対策を徹底して安全性を確保しなければなりません。

 

具体的には、パスワードを設定し、マニュアルへのアクセスを制限することや、システムエラーが生じた際の対応方法を明記して従業員に周知するなどの方法があります。マニュアルの閲覧履歴や変更履歴を自動記録するツールを入れることも、効果的です。

 

セキュリティ対策を徹底することで、社内に蓄積されたノウハウを守りデータ改ざんによる業務品質の低下を防げるほか、個人情報を扱う企業は顧客からの社会的信頼を失うリスクを軽減できます。

マニュアルを参照しやすい環境を整え、製品・サービスの品質をさらに高めよう

マニュアルの電子化には、従業員の利用率向上によって業務効率化、標準化を促進する目的があります。

 

マニュアルを電子化すると必要な情報を探しやすくなり、業務負担やコストを削減できる一方、システムエラーの影響を受けるリスクや紙から移行する際に工数が掛かる点に注意しなければなりません。

 

マニュアルを電子化する際はPDFに変換する、パソコンに標準装備されているソフトを使う、Webページを作成するなどの方法から自社の目的や対象業務に合った方法を活用しましょう。

 

有料の専用ツールを使うと専門知識がなくても簡単に読みやすいマニュアルを用意でき、更新や共有も迅速に行えるため業務効率化、標準化の効果を高められます。

 

本記事をもとに従業員がマニュアルを参照しやすい環境を整え、製品・サービスの品質を高めて顧客満足度や売上アップに繋げましょう。

 

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