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ペーパーレス化とは?デメリットと対策、工数削減に繋がった事例を紹介

作成者: カミナシ編集部|2024.04.15

会社でペーパーレス化を進めるために上司から言われて調べてみた方、自社の業務でペーパーレス化を課題として捉えているために調べてみた方、さまざまな方がいると思います。とは言え、一口に言っても、ペーパーレス化とはどんなものか、具体的にどんなメリットがあるのか、そもそもどんな風に進めていけばいいのか分からないとお悩みの方も多いと思います。

ペーパーレス化を進めるにあたっては、周りの理解やコストの問題など乗り越えるべき課題が多くあります。このような課題を乗り越えるポイントは、経営層を巻き込んで社内の理解を得たうえで、段階的に実施していくことが重要になってきます。

本記事では、ペーパーレス化の目的やコスト削減や業務効率化、セキュリティ強化などペーパーレス化を進めることで得られるメリットを事例を交えて分かりやすく紹介します。ペーパーレス化に興味がある方、本社のペーパーレス化に伴って、現場レベル(製造現場)でのペーパーレス化の方法を模索している方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

ペーパーレス化とは

ペーパーレス化とは、紙で存在する文書や書類、資料を電子化することや既にデータ化されたものを紙に印刷せずに活用、管理することを指します。この言葉は主にビジネスの場面で使われ、社内文書の電子化や電子決裁システムの導入など幅広い取り組みを指します。さらには、環境保護の観点から紙の使用量を減らすことを目的にして、おこなわれることもあります。

2017年の「電子帳簿保存法」改正により税務関連書類の電子保存が認められたことで、企業のペーパーレス化への関心は高まっています。適切な電子化とセキュリティ対策をおこなうことで、業務の効率化やコスト削減、情報共有の迅速化が期待できます。

また、リモートワークの普及に伴い、場所に縛られない働き方を実現するためにもペーパーレス化は重要なテーマです。

ペーパーレス化をおこなうメリット

社内の書類や帳票類をペーパーレス化することで、紙のコスト削減や業務効率化だけでなくセキュリティ対策にも役立ちます。

またマーケティングやSDGsなどの視点でも良い効果が得られ、企業としての価値も向上するでしょう。ここでは、ペーパーレス化をおこなうメリットについて具体例を挙げながら解説していきます。


  1. 用紙代や印刷代、印刷機器メンテナンスなどの「コスト削減」
  2. データ化により、検索や共有が容易となって「業務効率化、生産性向上」へ
  3. 紛失や盗難のリスクが軽減され「セキュリティ強化」に繋がる
  4. データを活用した「マーケティング施策」の実施が可能
  5. 「持続可能な開発目標(SDGs)」視点でも好影響

1.用紙代や印刷代、印刷機器メンテナンスなどの「コスト削減」

ペーパーレス化は紙の購入費や印刷費、機器メンテナンス費などを削減できるため、コスト削減に直結します。例えば、月間1万枚の紙を使用する企業の場合、以下のようなコストがかかります。


  • 用紙代:10万円(10円/枚 × 1万枚 )
  • 印刷代:20万円(20円/枚 × 1万枚)
  • 機器メンテナンス代:10,000円(年間12万円 ÷ 12カ月)
    ※用紙や印刷代、機器メンテナンス代は、平均的な価格を基に試算しています。

もし5千枚の印刷が削減できれば、毎月20万円のコスト削減につながります。

 

もちろんペーパーレス化を推進するには、電子化ツールの導入や社内の旗振り役となる人材の確保などの初期投資が必要です。しかし、中長期的に見ると上記のようなランニングコストを大幅に削減できるため、トータルでのコスト削減効果は高いと言えます。

2.データ化により、検索や共有が容易となって「業務効率化、生産性向上」へ

書類をデータ化することで必要な情報を瞬時に検索・共有できるようになり、業務効率化と生産性向上につながります。紙の書類をファイリングしている場合、一枚の書類を探すのに多大な時間と労力を要します。

 

例えば、1年前の取引先との契約書を探すために、何時間もかけて書類棚を探し回った経験がある方も多いのではないでしょうか。

 

一方でデータ化された書類は、GoogleドライブやNotionなどのツールを使えばキーワードを入力するだけで簡単に検索できます。

 

また書類の承認や情報共有もデータ化されていれば紙の書類を持ち回る必要がなくなり、メールやチャットツールで瞬時に共有できます。このように、ペーパーレス化による書類のデータ化は、情報の検索や共有が容易となり従業員が本来の業務に集中できるようにします。

3.紛失や盗難のリスクが軽減され「セキュリティ強化」に繋がる

ペーパーレス化は、セキュリティ面でも大きなメリットがあります。電子化された文書は、パスワードを設定したり、閲覧・編集権限を細かく設定したりすることで、機密情報への不正アクセスを防げます。

もちろん電子化された文書でも不正アクセスのリスクはあります。しかし、紙の文書でも盗難のリスクはあるので、ペーパーレス化したからと言ってリスクが高くなるわけではありません。適切なセキュリティ対策を講じることで、リスクは最小限に抑えることが可能です。

また紙の文書は、火災や水害などの災害時に紛失や破損のリスクがあります。たとえ盗難がなかったとしても、水に濡れて文字が読めなくなったり、経年劣化で情報が失われたりするかもしれません。

一方で電子化された文書は、クラウドなどに保存しておけば災害時でもデータを失うリスクが低くできます。このように、ペーパーレス化は、セキュリティ面でもメリットが大きいと言えるでしょう。

4.データを活用した「マーケティング施策」の実施が可能

ペーパーレス化によって顧客データがデジタル化されると、そのデータを活用したマーケティング施策が可能になります。例えば、顧客の購買履歴や属性データを分析すれば、ニーズに合った商品やサービスの企画に役立てることが可能です。

従来であれば紙の書類からデータを手作業で集計し、傾向を分析するために多くの時間と労力を要していました。顧客情報がデータ化されていれば、必要な情報を簡単に抽出・分析できるようになります。

ほかにもAIやビッグデータ解析と組み合わせることで、より高度なマーケティング施策も実現できます。例えば、購買履歴や閲覧履歴から顧客の嗜好を予測し、一人ひとりに適したおすすめ商品を提示するなどの効果的なアプローチが可能になります。このように、ペーパーレス化はデータ活用の面でもメリットが大きく、マーケティング施策の改善にも役立つでしょう。

5.「持続可能な開発目標(SDGs)」視点でも好影響

持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは、2015年に国連で採択された、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットからなる国際目標です。ペーパーレス化は、SDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」と密接に関連しています。

 

目標12は、持続可能な消費と生産パターンを確保することを目的としており、具体的には天然資源の効率的な利用や廃棄物の発生抑制などが含まれます。

紙の使用量を減らすペーパーレス化は森林資源の保全につながり、CO2排出量の削減や環境負荷の低減に役立ちます。企業がペーパーレス化に取り組むことはSDGsの達成に向けた積極的な姿勢を示す機会となり、環境に配慮した企業としてのイメージ向上につながります。その結果、顧客や投資家からの評価も良くなり、企業イメージの向上に一役買うでしょう。

ペーパーレス化の際に注意したいデメリット

さまざまなメリットがあるペーパーレス化ですが、導入に向けて注意したいデメリットもあります。働いている人の意識や導入コスト、故障のリスクなど、ペーパーレス化を失敗しないためには気にしておきたいところです。ペーパーレス化をスムーズに導入するためにも、考えられるデメリットと、それらへの対策もきちんと理解しておきましょう。


  1. 紙からデータへの移行に対して苦手意識がある人も一定数いる
  2. コストが掛かる
  3. システム・通信障害や機器の故障などのリスク

1.紙からデータへの移行に対して苦手意識がある人も一定数いる

長年紙ベースで業務を行ってきた人にとって、電子化(データ化)への移行に抵抗を感じる方も一定数いるでしょう。

しかし、総務省の調査によるとインターネット利用者は全体の8割以上と年齢問わず多数を占めています。

このことからも、PCやスマートフォンの使用自体に抵抗があるわけではないと推察できます。おそらく電子化(データ化)に抵抗を感じる方は、これまでの業務プロセスの変更に伴う不安や新しいツールの使い方への不安などがあると考えられます。

このような不安を和らげるためには、電子化のメリットを丁寧に説明し、理解を得ることが重要です。また一気に紙をなくすのではなく、紙と電子データの併用期間を設けるなどの工夫も有効でしょう。まずは小さな範囲から始め、徐々に拡大していく方法が成功のカギとなります。

実際に徐々にペーパーレス化を進めた企業も多くあります。運送業を営む会社で、車両の点検業務をペーパーレス化して際、最初の1カ月は紙とアプリの併用、次の2カ月

目では、アプリだけでのチェック作業にするという流れで移行していきました。

2.コストが掛かる

ペーパーレス化を進めるにあたり、スキャナーやタブレット端末など新たに電子機器を揃える必要もあります。しかし、基本的には無料のツールや既存の機器でもペーパーレス化は始められます。

 

まずは自社が保有するリソースで対応できる範囲で、新たにコストのかからない方法からペーパーレス化を進めてみるのが良いでしょう。

例えば、Microsoft Officeを導入済みの場合であれば、Excelを使って紙の帳票をデジタル化したり、会議の議事録をWordで取ったりすることで紙の資料を減らせます。また、GoogleドライブやDropboxなどの無料クラウドストレージを活用することで、書類の電子化と共有を低コストで実現できます。

コストを抑えつつペーパーレス化を進めるには、今あるシステムを活用する工夫が必要です。無料ツールを活用して少しずつ電子化の範囲を広げていくことで、無理なく効果的にペーパーレス化を実現できるでしょう。

 

自社が求めるペーパーレス化の目的が無料ツールだけでは、解決できなさそうな専門的な領域であったり、工数が増えすぎてしまったりする場合は、有料ツールの導入も検討してみましょう。

3.システム・通信障害や機器の故障などのリスク

ペーパーレス化を進める上で、システムや通信障害によって一時的にデータにアクセスできなくなるリスクは考慮しておく必要があります。総務省の公式発表によると、2020年から2022年の間に大手通信会社で以下の通信障害が報告されています。

 

会社名

発生日

影響人数

株式会社NTTドコモ

2020年5月30日

最大220万人

楽天モバイル株式会社

2021年9月11日

約100万人

株式会社NTTドコモ

2021年10月14日

約100万人

KDDI株式会社

2022年7月2日

約2316万人

楽天モバイル株式会社

2022年9月4日

約130万人

株式会社NTTドコモ

2022年12月17日

約242万人

参考:電気通信サービスの事故発生状況|総務省

 

また紙の書類では考えられないこととして、端末の故障や紛失によるデータ消失も起こり得ます。そのようなリスクに対しては、クラウドストレージを活用してデータのバックアップを取ることで、リスクを最小限に抑えられるでしょう。

ほかにもインターネット環境がなくても閲覧・編集ができる「オフライン機能」に対応したツールを選べば、通信障害の影響を受けにくくなります。

適切なバックアップ体制とオフライン機能の活用により、システム・通信障害や機器の故障によるリスクを軽減したうえでペーパーレス化を安心して進められるでしょう。

ペーパーレス化を推進する上でおこないたいこと

ここまでペーパーレス化の概要やメリット・デメリットを解説してきましたが、具体的に何から始めて良いか分からない人もいるかもしれません。ペーパーレス化を推進する上でおこないたいことは、以下のとおりです。

 

  1. ペーパーレス化の目的を理解してもらう
  2. 段階的にペーパーレス化を実施する
  3. 自社に合った機能が備わったツール、機器を使用する

 

紙をなくす目的や効果を理解してもらうためにも、一つずつステップを踏んでいきましょう。

1.ペーパーレス化の目的を理解してもらう

ペーパーレス化を成功させるには、経営層を巻き込んで社内全体やペーパーレス化を実施する部門の理解を得ることが不可欠です。具体的には、ここまでで紹介したペーパーレス化の目的や社内で発生している課題を具体的に提示し、共感を得ることがポイントです。

 

例えば、現在の紙の使用状況とペーパーレス化後の予測を比較することで、コスト削減効果を明確に示すことが可能です。

 

項目

掛かっていた費用

現在掛かっている費用

用紙代

10万円

2万円

印刷代

20万円

4万円

機器メンテナンス代

10万円

2万円

ペーパーレス化を実施前後の業務に掛かる費用の変化

 

ほかにも点検業務や承認作業に費やす時間を計算することで、業務効率化の効果も数値化できます。

 

定量的なデータを用いてペーパーレス化のメリットを示すことで、経営層や社員の理解を得やすくなります。ペーパーレス化の目的を明確に伝えて全社的な理解と協力を得ることで、スムーズな移行と継続的な取り組みが可能になります。

 

業務内容

掛かっていた時間

現在掛かる時間

車両点検業務

52時間

0時間

衛生管理の承認業務

9時間

1時間

ペーパーレス化を実施前後の業務に掛ける時間の変化

 

 

2.段階的にペーパーレス化を実施する

ペーパーレス化を進める際、いきなり全ての業務を紙から電子化に切り替えるのは得策ではありません。特定の部門や作業から始め、最初の1カ月は紙との併用期間を設けるのが良いでしょう。この期間中に使いづらい点やミスが発生しやすい部分を洗い出し、徐々に紙なしでも運用できる体制を構築していくことが重要です。

ペーパーレス化に適した文書や書類、資料の例としては、以下が挙げられます。

 

  • 会議資料や議事録
  • 稟議書
  • 請求書
  • 見積書
  • 雇用契約書
  • 社内マニュアル

 

ペーパーレス化を進める上で最も重要なのは、今までの業務を大きく変更しないことです。ペーパーレス化を別の業務として捉えてしまうと一気にハードルが上がり、社員の抵抗感を招く恐れがあります。

 

そうならないためにも、紙の稟議書をPDFに変更するだけで承認のプロセスはそのままにしておく、など紙の書類をデジタルデータに置き換えるだけと考え、業務の流れ自体は変えないようにしましょう。

3.自社に合った機能が備わったツール、機器を使用する

ペーパーレス化を段階的に実施する作業や部門の選定が完了したら、それに必要なツールや機器を選びましょう。以下は、ペーパーレス化に役立つ代表的なツールです。

 

ツール名

価格帯

できること

Googleドライブ

無料〜3,400円/月

ファイルの保存、共有、編集、オフライン閲覧

Notion

無料〜18$/月

ドキュメントやプロジェクト管理、情報共有

SmartHR

最大21,120円/年

勤怠管理、申請・承認、従業員情報管理

バクラク

無料〜69,800円/月

請求書処理や仕訳、経費精算

カミナシ

ユーザー数により異なる

帳票のデータ化や承認、監査用資料作成

企業が取り入れるペーパーレス化ツールの例

 

上記のツールはいずれもクラウドベースで、PCやスマートフォンから利用できます。ツールの選定に当たっては自社の業務内容や規模、予算などを考慮し、無料トライアルなどを活用して使い勝手を確認しておきましょう。

ペーパーレス化を推進し、工数削減や業務効率化した事例

弊社では食品製造や機械製造、宿泊・ホテル、飲食店などの点検作業やマニュアル作成、作業記録などのペーパーレス化、電子化をサポートしています。ここからは実際にお客様がカミナシを使ってペーパーレス化を推進し、工数削減や業務効率化をした企業の事例を3つ紹介します。

 

  1. 【食品製造業】約40種の紙のチェックリストを削減し、業務効率化へ
  2. 【機械製造業】年間約5万枚、全体の8割の紙を削減へ
  3. 【運輸・物流業】日常点検の帳票30枚/1日の削減へ

 

自社でペーパーレス化を進めるイメージが湧かない人は、成功事例の流れを参考にしてみましょう。

1.【食品製造業】約40種の紙のチェックリストを削減し、業務効率化へ

日本ハムグループの日本ハム北海道ファクトリー株式会社は、JAPAN X HAMブランドの製品を製造している食品製造会社です。同社では、食品製造業特有の課題である多種多様な紙のチェックリストの管理に悩んでいました。

 

製造工程では原料の受け入れから製品の出荷まで、約40種類ものチェックリストを使用しており、記入漏れや紛失のリスクがあり、データ化にも手間がかかっていました。そこで同社はカミナシを導入し、チェックリストのデジタル化に踏み切りました。

 

導入前の課題
  • 製造、品質保証などに用いる紙のチェックリストが100種類以上運用されていた
  • チェック作業の形骸化によるヒューマンエラーと作業者の精神的負担が課題に
  • 紙のチェックリストが作業者と管理者の業務負担の要因に

導入後の効果

  • デジタル化により紙のチェックリストを約40種類削減
  • アラート機能により、入力ミス削減や逸脱のリアルタイムでの把握が可能に
  • Excel変換機能により、紙のチェックリストからの転記・集計作業時間を大幅削減

カミナシを使うことでタブレット端末から簡単にチェックリストに入力でき、リアルタイムでデータを共有できるようになりました。記入漏れや紛失のリスクが大幅に減り、データ化の手間も省けました。さらに、チェックリストのデジタル化によりデータ分析が容易になり、品質管理や工程改善に役立つデータを活用できているといいます。詳しくは以下の資料をご覧ください。

 

 

2.【機械製造業】年間約5万枚、全体の8割の紙を削減へ

株式会社ジェイテクトエレクトロニクスは、自動車や産業機械向けの軸受や機械部品を製造している大手機械メーカーです。

 

同社では年間約6万枚もの紙を使用しており、ペーパーレス化が大きな課題となっていました。紙の書類は保管スペースの確保や検索性の低さ、情報共有の遅れなどの問題を抱えており、購入コストや印刷コストも無視できない金額でした。こうした課題を解決するため同社はカミナシを導入し、ペーパーレス化を推進しました。

 

導入前の課題

  • CO2排出量削減/環境活動取り組みの文脈で、紙を減らし社会貢献したいと考えていた
  • 生産作業以外にまつわる事業活動でツールが導入される中、生産部門でも業務の効率化をしたいと考えていた

導入後の効果

  • 1ラインで100枚/月の紙の削減に成功、年間約5万枚、全体の8割の紙を削減予定
  • 本格運用から半年で全体ラインの70%まで利用し、企画時の1.5倍の費用対効果を実現
  • 導入ラインと業務範囲を点検作業以外にも広げることで10倍の費用対効果を見込む


カミナシの導入により、同社は年間約5万枚、全体の8割もの紙を削減することに成功しました。書類はクラウド上で管理されるため、保管スペースの問題も解消されただけでなく、電子化された書類は検索性が高く、必要な情報にすぐにアクセスできるメリットがあります。さらに、紙の購入コストや印刷コストの削減にもつながり、経費節減の面でもペーパーレス化の恩恵を受けています。詳しくは以下の資料をご覧ください。

 

3.【運輸・物流業】日常点検の帳票30枚/1日の削減へ

鴻池運輸株式会社は、陸運と海運、航空、倉庫、流通加工など、幅広い物流サービスを提供している総合物流企業です。同社では、トラックの日常点検に使用する帳票の管理が課題でした。

 

トラックの点検には、1日1台当たり約30枚の紙の帳票が使用され、点検結果の集計や分析にも時間を要している状況。また紙の帳票なので記入漏れや紛失のリスクがあり、データ化にも手間がかかっていました。この課題を解決するため同社はカミナシを導入し、点検帳票のデジタル化を実現しました。

 

導入前の課題

  • 紙ベースで行っていた従来の日常点検では、日々同じ確認項目を〇×でチェックする方式であるため形骸化しやすかった
  • トラックドライバーが不足するなか、新人に点検のノウハウを正確かつ効率的に教育できる仕組みを構築したかった
  • 毎月1,000枚ほど必要となる日常点検票のチェックや管理者側の承認作業が業務の負担となっていた

導入後の効果

  • デジタル化に伴い日常点検業務の流れを見直したことで点検時間を削減。安全意識の醸成にも寄与
  • 画像やイラストをデジタル上の点検票に組み込むことで、新人ドライバーでも要点を押さえた点検がしやすい仕組みを構築
  • 日常点検のチェックや承認作業が迅速化。紙の保管も不要になり年間約12,000枚の紙の削減が可能に

 

カミナシを使うことで、トラックドライバーがスマートフォンやタブレットから簡単に点検結果を入力できるようになり、記入漏れや紛失のリスクが大幅に減少しました。また、点検結果がリアルタイムでクラウド上に保存されるため、事務所でのデータ共有や分析も容易になり、業務の効率化につながっています。詳しくは以下の資料をご覧ください。

 

段階的なペーパーレス化で業務改善を!

本記事では、ペーパーレス化の目的や意義、メリットについて詳しく解説しました。コスト削減、業務効率化、セキュリティ強化、SDGsへの貢献など、ペーパーレス化にはさまざまなメリットがあります。

 

一方で、紙からデータへの移行に対する社員の心理的ハードルや、初期投資のコスト、システム障害のリスクなども存在します。これらの課題を踏まえた上で、ペーパーレス化を成功させるためには、以下のポイントが重要です。


  1. 経営層を巻き込み、社内の理解と協力を得ること
  2. 段階的に実施し、業務への影響を最小限に抑えること
  3. 自社に合ったツールや機器を選定すること

ペーパーレス化を進める上で最も大切なのは、社内の理解と協力を得ることです。トップダウンとボトムアップの両方のアプローチで、丁寧に進めていくことが求められます。また、一気に全てをデジタル化するのではなく段階的に実施して、業務改善を図っていきましょう。