インダストリアルエンジニアリングとは?概要と手法をあわせて解説

 

製造工程のコストを削減し、生産性を向上させるインダストリアルエンジニアリング。製造業の分野では古くから取り入れられ、業務の改善や作業員の質の向上に役立てられています。

 

インダストリアルエンジニアリングという言葉は聞いたことがあるけど、「具体的にどのような方法かよくわからない」という人もいるでしょう。この記事ではインダストリアルエンジニアリングの意味やメリット、具体的な手法について詳しく紹介します。

インダストエンジニアリングとは

 

インダストリアルエンジニアリング(Industrial Engineering)は略してIE(アイ・イー)とも呼ばれ、日本語に直訳すると「生産工学」です。ここでは、インダストリアルエンジニアリングの具体的な内容について確認していきましょう。

インダストリアルエンジニアリングの意味

インダストリアルエンジニアリングとは、生産の工程や作業内容を科学的に分析し、低コストで効率的にものづくりを行う技術のことです。戦後にアメリカから導入され、主に製造業の現場で業務改善のために利用されてきました。

 

インダストリアルエンジニアリングの特徴は仕事を工程から作業、動作へと細かく分け、無駄をなくしながら作業を効率化できること。大手自動車メーカーが早くからこの手法を取り入れ、現在でも数多くの製造現場で利用されているのです。

インダストリアルエンジニアリングの資格

インダストリアルエンジニアリングには、製造部門の生産性向上を図る専門エンジニア(インダストリアルエンジニア)として、認定資格が設けられています。

 

インダストリアルエンジニアの資格認定試験を受けるには、一般社団法人日本能率協会が実施する「生産革新プロフェッショナルコース」の単位を取得することが必要。インダストリアルエンジニアは管理職向けの資格で、製品の特性や会社の機能を考慮し、最適な生産システムを作る仕事になります。

 

インダストリアルエンジニアとしての仕事に就くためには、工業高校や理科系の専門学校、理系大学などを卒業して製造部門のある企業に就職し、キャリアを積んでから登用されるのが一般的です。

インダストリアルエンジニアリングのメリット

インダストリアルエンジニアリングは仕事の方法や時間の使い方を工夫して、生産性のある社会を築くことを目的にするもの。具体的には、次のようなメリットがあります。

 

  • 業務全体を数値化して現状を把握できる
  • 無駄な業務を発見できる
  • 記号化や図表化で客観的な検討が可能

 

業務全体が数値化、記号化されることで現場以外の社員も現状を把握でき、具体的な改善点を見つけ出すことが可能です。

 

このようなメリットを持つインダストリアルエンジニアリングは、製造業だけでなくサービス業や農業など、他の分野でも広く活用されています。

インダストリアルエンジニアリングの手法

 

業務を数値化、記号化して現状を把握するインダストリアルエンジニアリングの手法には、さまざまな種類があります。主な手法を紹介しましょう。

工程分析

インダストリアルエンジニアリングの基礎となるのは生産に関わる作業研究です。その中でまず必要になるのが工程分析で、具体的には原材料が加工されて完成品するまでの過程を記号を使って図表化する作業になります。

 

工程分析は、加工、運搬、検査、停滞の4つです。

 

  • 加工:製品が目的に沿って変質されるプロセス
  • 運搬:機械や人が物を移動させる
  • 検査:質と量の検査を行い、基準と比較する
  • 停滞:3つの工程がいずれも行われず、停止している状態

 

各工程で生産性のない停滞時間を洗い出すことで、改善点を見つけることが可能です。問題が起きた場合でも各工程の分析が済んでいれば、問題を把握して改善することができます。

動作分析

動作分析は作業方法や手順を研究し、作業に慣れていない人でも効率良く作業できるように分析する方法です。

 

作業者の動作を詳細に観察して生産工程での無駄な動作をなくし、標準の作業方法を確立します。

時間分析

工程や作業動作の改善ができたあとは、製造の各工程で作業に要する標準時間を割り出していきましょう。

 

標準時間とは、平均的なスキルの作業員が一定品質の製品を作るために要する時間。作業にかける時間の目安になるもので、新しい作業員にとっての目標値です。

他にもいくつかの分析手法がある

インダストリアルエンジニアリングには、他にも連合作業分析やライン編成分析など、いくつかの分析手法があります。

 

これら手法を使って分析と改善を重ね、無駄のない効率的な生産方式を確立することが最終目標です。

まとめ

 

日本では、大手企業を中心にインダストリアルエンジニアリングの手法が一般化し、ものづくりの一翼を担ってきました。

 

作業方法や時間の使い方を工夫して生産性を上げるシステムは、製造業に限らず他の分野にも応用できるものです。低コストで効率的な生産方式は、これからも生産管理システムの中心であり続けるでしょう。

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