ISO9001とは一体どんなもの?基本的な情報を紹介

 

この記事では、国際的な規格の1つであるISO9001の基本情報やその歴史などについて紹介します。前半部分ではISO自体のことを解説するため、ISO9001について初めて知る方でも問題ありません。もちろん、ISO9001のことを再確認する意味でもこの記事が役立つでしょう。

 

そもそもISOとはどのようなものなのか

 

 

ISO9001の基礎的な部分を解説する前に、まずはISOについて知っておきましょう。先にISOのことを把握していなければ、今後話すISO9001が理解しにくいと思うかもしれません。そこでこの項目では、ISOの正式名称や歴史、ISO規格の種類などについて紹介します。

ISOは国際標準化機構の略称

ISOとは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)のこと。スイスのジュネーブに本部が設置されており、名前通り国際的な標準を設ける機関で、その規格の最初に機関の略称であるISOが付いています。簡単にまとめれば、国際的な基準でものさしを作る機関と言えるでしょう。

 

もともとは、国際標準化機構の前身として万国規格統一協会がありましたが、第二次世界大戦によって活動が停止。戦後である1947年に、新たな組織である国際標準化機構が業務を始めました。

 

現在では日本も含め162の機関がISOに加盟しており、「会員団体」「通信会員」「購読会員」の3つに分けられています。各カテゴリーによっては活動の制限があり、例えば総会での議決権は日本やアメリカなどの「会員団体」しか保有していません。一方で、経済活動の規模が非常に小さい「購読会員」の場合は会費が安いという特徴があります。

 

ISOにはさまざまな種類がある

ISOが定める規格はさまざまあり、案内標識や単位などもISO規格とされています。例えば、非常口に掲げられている緑の標識はISO7010として定められており、日本だけではなく世界各国の非常口に設置。ISO規格の分野は幅広く、農業や医療分野にもISO規格が設けられています。

ISO9001における基本情報

 

 

 

国際標準化機構の歴史や主な規格などをチェックした上で、本題に触れていきましょう。果たしてISO9001は、どのような規格として世界各国で広まっており、どうやって取得することができるのでしょうか。

ISO9001は何に対する規格なのか

ISO9001は、品質マネジメントシステムに関する規格です。マネジメントシステムというのは、方針あるいは目標を定めた上で達成のために組織を適切に指揮・管理する仕組みのこと。今回の場合では、一貫した製品もしくはサービスを提供して顧客満足の向上を狙うシステムと言えます。

 

また、規格によって対象とする組織が決められている場合がありますが、ISO9001の場合は関係ありません。どんな業種・業態であっても、ISO9001を取得できます。

 

認証してもらう上での効果とは?

ISO9001を取得する効果は数多くあります。具体的には、コンプライアンスの推進や品質保証による社会的な信頼の向上など。

 

ただ、取得すればすぐに効果が現れるわけではなく、2〜3年かかるため、その間もきちんとISO9001を管理しなければならず、企業によっては手間と思うかもしれません。事実、そのことからISO9001を取得しない企業や更新を止めた企業もあります。

ISO9001が世界各国に広まった理由

ISO9001は数あるISO規格の中でも、特に世界各国で使われています。全世界で170ヵ国以上、100万以上の組織が利用していることから、世界で最も普及しているマネジメントシステムの企画と言われることも。

 

ここまで広がった理由は、対象組織の制限が無いことや品質マネジメントシステムに必要なことがISO9001に含まれていることなどが挙げられます。

どのような流れで認証されるのか

ISO9001の認証取得は、基本的に簡単な作業で取得できるわけではありません。コンサル企業によって異なりますが、例えば一般財団法人の日本品質保証機構の場合は、事前相談及び見積もりの後、必要な書類を提出して契約。

 

その後、ファーストステージとセカンドステージに分かれる登録審査をしてもらった後、何もなければ登録証が発行されます。

 

ただ、ここで終わりではありません。ISO9001には定期的な審査があり、それをクリアすることで更新ができます。継続的に品質マネジメントシステムを維持するためにも、ISO9001が形骸化しないようにしましょう。

ISO9001の品質マネジメント7原則

ISO9001を紹介する上では、品質マネジメント7原則を外すことはできません。これは「顧客重視」「リーダーシップ」「人々の積極的参加」「プロセスアプローチ」「改善」「客観的事実に基づく意思決定」「関係性管理」によって構成されており、2015年にISO9001が改定された際に示されました。

 

もしISO9001を取得しようと考えているのであれば、この原則もきちんと覚えておきましょう。

ISO9000シリーズの歴史

 

 

ISO9001の基礎情報を読んだ後は、どのような歴史でISO9000シリーズや品質マネジメントシステムが生まれたのか見ていきましょう。ここでは、3つの項目に分けて、過去から現在に向かう流れで紹介していきます。

始まりは20世紀から

ISO9000シリーズが規格する品質マネジメントシステムは、20世紀ごろに考えられ始めたもの。当時は流れ作業による大量生産がスタートし始めた時であり、「どのようにして社員を決められた作業に集中させるのか?」という問題への取り組みが行われていました。

 

品質が良くなければ他のパーツとうまく組み合わせられないため、流れ作業として成り立ちません。しかし、集中して一定の品質の製品を作ればスムーズに組み立てることができ、安定した生産が行なえます。

軍事分野と非軍事分野

品質マネジメントシステムという考え方は、軍事分野と非軍事分野に分かれます。先に取り入れられ始めた軍事部門では、1959年にアメリカ軍が品質マネジメントプログラムを作成。これは、納入業者に対する要求として生み出されたものであり、1968年にはNATOが同様のものを作成しました。

 

非軍事分野では、原子力エネルギーの分野で 「原子力発電所に関する品質保証プログラムの要求事項」が制定。その後、広く適用されるために「原子力機器に関する品質保証プログラムの要求事項」となりました。

 

また、イギリスでは産業界の要望を受けて、1974年に「品質保証システムの運用と評価の指針」を発表。この影響で、他の業界も似たような指針を作るようになりました。

改定を経て現在の形へ

最終的にISOでも品質マネジメントシステムに関することが考えられ始め、ISO9000シリーズの始まりとも言えるISO 8402:1986「品質-用語」が制定されました。その後は何度かの改定を経て現在の形に。シリーズに含まれるものとして、ISO9001やISO9004などがあります。

まとめ

 

 

今回は、ISO9001の基本情報やISO9000シリーズの歴史などについて紹介しました。ISO9001は世界各国で用いられており、さまざまな効果があります。もしISO9001を取得しようか悩んでいるのであれば、コンサル会社と相談して決めてみるのが良いでしょう。

 

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