ISO9001取得のメリット・デメリットを解説|初心者でも安心

品質マネジメントのガイドラインとも言える「ISO9001」。ガイドラインを導入することで、企業にとっての課題点を継続的に改善できます。ISO9001の認証を受けることは即ち、品質におけるガイドラインを確立し、常に顧客へ一定の品質を保ったサービスを提供できるということです。他にもISO9001認証を受けることのメリットは多数。今回は、そもそもISOとはどのようなものなのか、ISO9001認証のメリット・デメリットとは何か、どのようにして認証を受けるのかについて説明します。

 

まずはISOについて知っておこう!

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ISO9001のメリットとデメリットを説明する前に、ISOとは何かという点について説明します。国際機関であるISOの内容や目的を知ったうえで、それに付随するISO9001認証のメリットを理解しましょう。

 

ISOってどんな機関?

スイスのジュネーブに本部を置くISOとは、非政府機関「国際標準化機構( International Organization for Standardization)」の略。さまざまなロゴやマーク、商品サイズに基準を設けています。製品そのもの以外にも、企業の品質活動や環境活動を管理するべく、マネジメントシステムの規格も実施。一定の品質を維持するため、明確な基準を定めます。

 

現在、世界で165の機関がISOへ加盟(2014年時点)。日本では日本産業標準調査会(JISC)がISOに加わっています。加盟できる機関は1カ国につき1機関のみと定められているため、世界中で165カ国がISOの加盟国と言えるでしょう。

 

ISOの目的は何?

ISO最大の目的は「国際間の取引をより円滑にすること」です。ロゴやマークを統一することによって、どの国へ旅行しても機関が定めたマークは同様の意味を示します。例えば「非常口のマーク」。このマークを世界165カ国で共通化することによって、非常時にも混乱せず避難できるでしょう。

 

マネジメントシステムの規格を明確にすることで、ピラミッド式の組織においてその管理を円滑に行えます。上層部の人数が少なくても、それぞれが決められた規格基準に従って業務にあたるので、顧客へは常に一定のサービスを提供できるでしょう。

 

ISO9001について知ろう!

 

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ISOにはさまざまな分野があり、「ISO〇〇(番号)」と番号で分けられています。ISO9001もその中のひとつ。ここでは今回のメインテーマである「ISO9001」について、定める規格やその目的を説明します。

 

ISO9001は何の規格を定めるの?

ISO9001が定める「品質マネジメント」とは、製品やサービスを提供するまでの「作業環境」のマニュアル化と言ってもよいでしょう。例えば、同じ料理を複数の人が作った場合、使う材料は一緒でも食材の切り方や火加減、調味料の量によって出来上がりに差が生じます。しかし明確なレシピがあれば、ほぼ同じ味のものを全員が作れるでしょう。

ISO9001で定めるのはこのレシピ。作業の工程をマニュアル化することによって、より正確に早く、均一な製品やサービスを提供できます。

 

ISO9001の目的は?

もうお分かりなように、ISO9001の目的は作業をマニュアル化し、誰が作っても変わらない品質を維持すること。しかし、ISO9001にはさらにもう一つの目的があります。それがマニュアルの改定。

 

もう少しレシピの例で説明しましょう。初めは万全だったレシピでも多くの人が料理を作っていくうち、いくつかは失敗作ができます。失敗作を企業に置き換えると「不良品」でしょう。「いつもは成功するけど、たまに失敗する(不良品ができる)」という企業は、顧客からの信頼は得られません。そこで失敗が起こる度に、レシピ(マニュアル)を見直し、原因を突き止め改善します。それを繰り返すことでより万全で、誰にでも通じるレシピが完成するでしょう。顧客の信用を失うリスクも最小限にすることができます。

 

ISO9001取得のメリットは?

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ここではISO9001認証を受けることのメリットについて説明します。ISO9001の認証、または認証を目指す過程において生まれるメリットは多数。大きく4つに分けて、それぞれ紹介していきます。

企業への安心感

第一のメリットとして挙げられるのは、顧客からの「企業への信頼(安心)」。常に一定のクオリティが担保されていることは、顧客に信頼される企業として、最も重要な点でしょう。ISO9001は製品の質以上に、その作業過程の質を保証するもの。ですが、正しい工程を得て自身のもとに届いた製品というのは、製品自体はもちろん企業への信頼も増すでしょう。

個々の役割を明確化

作業のマニュアルを明確化することは、個々の役割を明確化することにも繋がります。特定の業務を社内でどの部署の誰が行うのか明確にすることで、従業員それぞれが責任を持って業務を行えるでしょう。また、現在進行しているプロジェクトの進捗管理も容易になります。ひとつのプロジェクトを各々が分担し、達成することで円滑なチームプレーを可能にするでしょう。

一人ひとりのノウハウを繋げる

マニュアルを作っておくことで、個人のノウハウを会社全体で共有できることも大きなメリット。ひとりが退職してしまったことで、企業が提供するサービスや製品の品質に差が生じるリスクも少なくなります。またひとりのノウハウに、複数の視点からの見解を組み込むことによって、そのノウハウをより高品質なものにすることも可能です。

生産性向上

スムーズな役割分担と明確なマニュアルができることで、生産性も上がります。それぞれがよりスピーディーに作業を進められるだけでなく、検査や品質のチェックにかかっていた時間の大幅な削減が可能。ただし生産性向上のメリットを実感するには、少し時間がかかることもあります。

ISO9001取得のメリットまとめ

ISO9001認証のメリットを4つに分けて説明しました。全体をまとめると「個々のノウハウを活かした高品質なマニュアルに沿い、業務を分担するため、生産性が上がり顧客満足度がアップする」ということになります。製品やサービスを提供し続ける企業にとって、ISO9001認証は欠かせない認定と言えるでしょう。

ISO9001取得のデメリット

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多くのメリットがあるISO9001ですが、当然デメリットもいくつか存在します。ここでは具体的にどのようなことがデメリットとなり得るのか説明しましょう。

管理者への負担

ISO9001に限ったことではありませんが、やはり認定取得には事前準備や人材の確保など、ある程度のリソースを割く必要があります。マニュアルを文書化する作業や試行錯誤の記録業務が増加。そのため管理責任者・担当者への負担が一時的に大きくなってしまいます。なかには人材にゆとりがなく、ISO認証を諦めるといった企業も。認証を目指す前に、どの程度の負担が予測されるのかしっかりと調べ、リソースを確保しておくことで、ある程度このデメリットは解消されるでしょう。

一時的な作業スピードの低下

また新しいマニュアルに沿った運用を始めるうえで、最初のうちはかえって生産性が落ちる可能性もあります。マニュアルの運用に慣れしまえば生産性は上がりますが、それまでに少し時間がかかる場合も。事前に対策しておく必要があるでしょう。

ISOを返上する企業も

2つのデメリットは、ISO認証までに発生することが多いデメリット。さらに費用面からISO認証を得ても、返上する企業もあります。その理由としては以下の3点が挙げられるでしょう。

 

・更新投資費用が高額

・文書作成など事務負担が大きい

・マニュアルが安定し、不要となった

 

のちほど説明しますが、ISO認証は審査に通って終了ではありません。定期的に更新審査を受ける必要があり、設備が老朽化してくるとその買い替え等が更新時に必要となります。そのための費用がかさみ、コスト削減の面からISO認証を返上する企業もあるそう。文書作成等の負担はデメリットで説明した通りです。また認証時のマニュアルが安定し、自らチェックや改善も行えるようになった企業もISOを返上しています。

ISO9001取得の流れ

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ここからの内容は、ISO9001認証取得の流れについて。ISO9001の認証には、事前準備と本審査が必要になります。そして認定後には定期的な更新も。各工程で必要な作業を説明します。

事前準備

ISO認証の事前準備としては、まず組織体制を明確化し、ISO認証の担当責任者や担当者を確保。責任者が業務内容を洗い出し、ISO9001の規格要求事項とのギャップを分析します。そのギャップを縮めるべく改善マニュアルを作成し、運用。内部監査を行いギャップの改善ができているか、マニュアルに問題点はないかをチェックします。確認結果のレビューを行い審査準備が完了。ISO認証取得までの作業は、主にマニュアルの作成(改定)、運用、チェック、レビューの繰り返しとなるでしょう。

本審査と認定後

社内レビューまでが完了したら本審査を受けます。初めに書類審査を行い、マニュアルそのものがISO9001の規格とズレていないことを確認。二次審査へ進める準備ができていることも合わせて確認したうえ、二次審査を行います。

 

二次審査に通過した場合は、晴れてISO9001認証獲得。認証後には、3年に1回の「更新審査」と年に1〜2回の「維持審査」を受け続けます。ここでのポイントは、認証当初の運用が正しく行われているか、問題が生じた場合の対策は行われているかの2点。しっかりと「ISO認証を受けた企業」としての経営がされていれば問題ありません。

まとめ

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ISO9001の認証取得のメリットについて、ISOやISO9001の概要から説明しました。ISO9001の認証を受けることで、一定の品質でサービスや製品を提供し続ける企業だと、顧客へアピールすることができます。事前準備や更新など負担となることも多いですが、その分メリットも大きいでしょう。しっかりとそのメリットやデメリットも理解したうえで、ISO9001の取得を検討してください。

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