QCという略語を聞いたことはありますか?最近、ビジネス用語として使用されているのですが、本来の意味は「品質管理」のことで工場などで使われています。このQCがビジネス用語となった背景には「QC活動」を導入している企業の増加が関係しているでしょう。
そこで、ビジネス略語として注目されているQCについて、QCストーリーの流れなども一緒に解説します。
QCという言葉の本来の意味は「品質管理」です。ただしビジネス略語のQCは、品質管理以外にも、別の業種でも活用できます。QCは工場で耳にすることが多い言葉ですが、他の業種でもどんどん取り入れられているのです。知っておくと、ビジネスにもプラスになりそうな、QCの意味やQC活動について紹介します。
QCとは「Quality Control(品質管理)」のことです。ただしビジネス略語では、そのままの意味で使用されているのではなく、会社内のチームで品質管理に取り組む「QC活動」のことを指します。
QC活動では小さなチームを作るため、誰にとっても発言しやすい環境が整えられるという特徴があります。品質管理を目的とした積極的な話し合いをすることで、仕事への意識を高められるのです。このQC活動を通じて日々の業務の効率化を考える力なども身につくのがメリットです。
QAとは、「Quality Assurance(品質保証)」を指す略語で、製品が顧客のもとで故障しないことの保証を意味します。近年では品質管理よりも品質保証を重要視する企業が増えてきているようです。
QAは、ビジネス用語の「QC活動」とは今のところ関連のない言葉ですが、QCとは関連が深い言葉で、類似用語なので混同しないように理解しておきましょう。
品質管理に関する知識を評価する、品質管理検定(QC検定)もあります。これは本来の品質管理の意味での「QC」のついての検定で、5段階のQCレベルでキャリアアップを実現可能です。
QC検定は実務にあたっている社会人だけでなく、これから就活をする学生にも人気で、年間の受験者数は12万人を超えるほど。全国で年間2回の試験があり、すでに第30回までの検定試験が行われています。
QC活動やQCサークルも有名です。実はQCサークル活動は歴史が深く、1963年5月に仙台で「第1回QCサークル大会」からスタートしています。すでに大会は第5,000回を超えるなど、全国で展開中です。
QCサークル活動は、生産会社の製造部門中心に始められましたが、今はさまざまな会社の各部門に広がり、工夫して展開され続けています。
QC手法とは、QC7つ道具・新QC7つ道具などを用い、データの収集からデータの加工、分析を行い問題解決につなげる手法です。例えば、問題を解決したい場合に、QC手法のQC7つ道具を使用して解決につなげます。他にも製造段階・開発設計段階・商品企画段階での質向上のための方法も。またQC手法では、「QCtools」を活用します。具体的に確認しておきましょう。
「QCtools」とは、QC手法で使用する道具のことで、具体的には定量的な分析ができる「QC7つ道具」と、定性的な分析のできる「新QC7つ道具」のことです。ほかにも、収集したデータの傾向や性質を、数量的に把握する「統計的手法」があります。以下ではそれぞれの特徴について確認しておきましょう。
QC7つ道具とは、品質管理を行うために定量的な分析を行うための道具のことで、現象を数値的・定量的に分析するために用います。QC7つ道具を活用しデータを可視化すれば、誰にでも問題点を伝えやすくなるのです。QC7つ道具の具体的な内容は下記の通り。
さらに、以下の3つの方法を用いられることもあります。
新QC7つ道具とは、品質管理を行うために定性的な分析を行うツールのことです。言語データを図に整理することで、定性的に品質管理の問題点を解決に導きます。例えば、定性的な問題は口頭では伝わりにくいですが、新QC7つ道具を利用することで、整理して他の人に伝えることができます。新QC7つ道具は以下の7つです。
QC手法には、統計的手法という収集したデータの傾向や性質を、数量的に把握する方法もあります。これによって、QC7つ道具、新QC7つ道具で解決できなかった問題を解決に導くことが可能に。統計的品質管理は「Statistical Quality Control:SQC」とも呼ばれ、その手段としては、以下の8つの方法です。
QC手法を実践するメリットは、定量と定性のどちらからも問題点へアプローチすることができ、収集したデータの傾向から統計的手法を活用できるなど、総合的な手法を利用できることです。例えば、問題に対して定量のチェックシート、定性の連関図、統計的手法の検定・推定を利用することで問題を解決に導くことができます。
また、QC手法を活用することで、状況の把握が早くなったり、思考を可視化することで問題点を共有しやすくなったりするメリットも。個人の表現力によって伝わり方に差が出てしまうことがないので、スムーズな品質管理につなげることができるのが、QC手法を活用する最大のメリットでしょう。
QCストーリーとは、ビジネスでの問題解決に役立つステップのことです。問題解決の基本3原則を土台としてストーリーを展開します。このときの土台となる3原則の内容は、➀PDCAサイクルを回す、➁ファクトコントロール(事実・データ)で判断し、行動する、➂顧客第一で物事をすべて考える、です。
この基本の部分を土台にして、QCストーリーの流れを順番通りに実行していきましょう。
QCストーリーでは問題解決の8つのステップを踏む必要があります。問題を明確化することから始まり、標準化と管理の定着を以下の8ステップで目指しましょう。
1、問題の明確化
あるべき姿と現状の差を明確にすることで、どの問題を改善するのかを決める。
2、現状把握
現状の調査と分析を行うことで、問題を層別に具体的にする。
3、目標設定
目標の項目に基づき具体的な目標を設定する。
4、要因解析
特性に関する現状を調査して、要因の洗い出しや整理、分析を行う。
5、対策立案
対策案の洗い出しと、検討評価を行う。
6、対策実施
計画に基づき着実に対策を実行する。また、進捗状況は定期的に確認する。
7、効果確認
実際の対策結果を確認し、目標値と比較確認する。
8、標準化と管理定着
標準化することを定着させて、効果を拡大させる。
QCストーリーで標準化と管理定着をさせた後には、歯止めのポイントをつくる必要があります。
歯止めとは、再発防止のこと。歯止めのポイントとは、問題解決をして標準化したことを業務プロセスに組み込み、問題の再発を防ぐ体制をとり、体制強化につなげることです。
実際に成功施策を業務プロセスに組み込んだ後も、定着させるまでは教育やフォローを継続します。この行動を維持活動といいますが、この他にも改善策の横展開を行い、会社全体に働きかけてもよいでしょう。
ビジネス略語QCとは品質管理のことで、少人数のチームで品質改善の話し合いの活動を通じて効率上げることで、仕事に対しての向上心を持つ取り組みです。またQC手法には、メリットが多く、問題解決につながる糸口を見つけることができます。ビジネスで活用できるQCを上手に取り入れてみましょう。