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飲食料品製造業における特定技能とは?対象業務や資格取得者を雇用する方法

作成者: カミナシ編集部|2020.10.01

日本の産業は深刻な人手不足にありますが、飲食料品製造業もそのひとつです。2025年までの人手不足は73,000人※とされ、雇用確保の対策が急務になっています。このような状況で新設されたのが「特定技能」と呼ばれる外国人労働者の日本在留資格です。

 

この記事では、飲食料品製造業における特定技能について詳しく紹介。対象となる業務や雇用する方法について解説します。

 

※ 農林水産省:飲食料品製造業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針

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飲食料品製造業における特定技能とは?

 

そもそも、飲食料品製造業における特定技能とはどのような資格で、対象となる業務は何なのでしょうか?詳しく解説しましょう。

人材不足を解消するために新設された在留資格

特定技能は人材不足を解消するため、2019年に新設された外国人労働者の在留資格です。特定技能の在留資格を持った外国人労働者を雇用できるのは14種類の特定産業分野で、飲食料品製造業も含まれています。

 

飲食料品製造業で2025年までに受け入れを予定しているのは34,000人。一方、2025年までに見込まれる人材不足の数が73,000人とされているため、約半数の労働力が補われる計算になります。

飲食料品製造業における特定技能の対象になる業務

 

特定技能の対象になるのは飲食料品製造業のすべてではなく、総務省の「日本標準産業分類」における、次の7分類に該当する業務になります。

 

  1. 食料品製造業
  2. 清涼飲料製造業
  3. 茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く)
  4. 製氷業
  5. 菓子小売業(製造小売)
  6. パン小売業(製造小売)
  7. 豆腐・かまぼこ等加工食品小売業

7分類に該当する事業者

7分類のうちの食料品製造業には菓子やパンも含み、さらに5、6で製造小売業も含まれることになります。街のパン屋、ケーキ屋などがそれに当たります。

 

従事できるのは飲食料品製造業全般の製造、加工、安全衛生の管理で、関連業務として次のような業務を行うことも可能です。

 

  • 原材料の調達、受入れ、搬送作業
  • 製品の納品
  • 清掃
  • 事務所の管理

 

これら業務は、外国人労働者が主に従事する業務に付随することが条件で、もっぱら付随する業務だけを行うことは許されません。

「酒類」の製造業は含まない

清涼飲料製造業には、「酒類」の製造業は含まれません。酒類を製造する事業者は特定技能の在留資格を持つ外国人労働者の雇用は不可です。

受け入れる人材の要件

飲食料品製造業で受け入れる人材には、HACCP(ハサップ)を含む衛生管理の知識を持つことが求められます。

 

HACCPとは、2020年にすべての食品関連業者に義務化された衛生管理方法です。これまでの食品衛生法上の衛生管理を前提に、さらに強化された手法になります。

 

食中毒などのリスクを回避し、食の安全のために厳守されなければなりません。これから雇用される特定技能外国人も、当然この知識を持つことが要求されます。

資格を持つ外国人労働者を受け入れる方法

 

特定技能の在留資格を持つ外国人労働者を受け入れるには、いくつかの要件や義務があります。

食品産業特定技能協議会に入会する

雇用の前提として、受け入れる事業者は「食品産業特定技能協議会」に入会しなければなりません。食品産業特定技能協議会とは、農林水産省が食品産業分野と共同で設置したもので、外国人労働者の円滑な受け入れのために作られたグループです。

 

外国人労働者を受け入れる事業者は、最初の受け入れから4ヶ月以内に必ず食品産業特定技能協議会に加入することが必要になります。

外国人労働者に一定の支援施策を行うこと

さらに事業者は、雇用する外国人労働者に一定の支援施策を行わなければなりません。外国人が理解できる言語で支援する体制があり、日本語教育や住居確保などの適切な支援計画を作成し、実施することが求められます。

 

ただし、これは登録支援機関にすべて委託することも可能。登録支援機関とは事業者の委託を受けて事業者に代わり、事業者が行うべきすべての支援をする機関です。

 

委託することで、事業者の外国人労働者への支援義務は免れることになります。

雇用形態と報酬

さらに、受け入れる事業者には「雇用契約が適切であること」という要件が課せられています。外国人労働者とは直接雇用が原則で、日本人より低賃金にするなどの待遇は許されません。

 

また、5年以内に出入国・労働法令違反がないなど、受入れ機関となる事業者自体が適切であることも必要です。

まとめ

 

飲食料品製造業における、特定技能について見てきました。担い手が不足する飲食料品製造業の事業者は、少しでも早く外国人労働者を受け入れたいでしょう。

 

制度が始まってから特定技能の在留外国人数はあまり増えていません。法律の施行から日が浅く準備体制が整っていないという事情がありますが、少しでも早く体制を整え、外国人労働者の受け入れが増えることが期待されています。