使いやすい手順書を作る!書き方のポイントや活用されるコツを解説
2020.10.02
2024.07.01更新
手順書を作るときに、書き方は重要です。手順書は書き方次第で使いやすさが決まり、使用頻度の差がつくため、作業をする人が正しい手順で作業できる確率を上げることにもつながります。
そのため、より良い製品を作るために手順書の書き方は重要だといえるでしょう。そこで今回は、手順書について運用しやすくなる書き方のポイントや、活用されやすくなるコツをわかりやすく解説します。
手順書とマニュアルの違いとは?
手順書は、マニュアルの種類の1つです。マニュアルの中に手順書があり、会社によっては「業務マニュアル」と定められている場合もあります。ここでは手順書がマニュアルとどう違うのかを確認しておきましょう。
手順書は作業工程や単位作業を定めているもの
手順書は、作業工程を具体的に定めているものですが、単位作業についても定めています。単位作業というのは、一人の単位で独立して完結できる作業のことです。この単位作業は「要素作業」と「動作」に分けて解説することで、より理解しやすくなります。
例えば、単位作業は「道具を持つ」、動作は「道具を使う」と書いておけば、正確な作業が可能です。誰が読んでも同一の作業を行えるようにするのが手順書を作成する目的といえるでしょう。
マニュアルよりも必要な情報を見つけやすい
手順書はマニュアルよりも、作業に必要な情報を見つけやすいという特徴もあります。マニュアルの役割は、業務全般について理解を求めることです。一方、手順書は作業を正確に行うことを目的としているため、作業について知りたい部分を探しやすく作られています。
必要な情報が見つけやすい手順書を作ることは、作業の効率化にもつながるため重要だといえるでしょう。
手順書の書き方のポイントとは?
手順書を作成するうえでは、作業担当者が使いやすい内容になっているかを意識することが大切です。そのためには、どういった項目があったら作業担当者に理解してもらいやすいかを考えて作成しましょう。ここでは手順書を書くためにおさえておきたいポイントを紹介します。
手順書の範囲を決める
手順書を作るときは、最初に範囲を設定しましょう。具体的にどの範囲までを網羅するか決めておくことで、手順書の内容がずれてしまうことを防げるのです。範囲の具体例としては次のとおりです。
- 誰が読むのか
- いつの作業か
- どの作業なのか
範囲が広くなりそうなら、作業前、作業中、作業後などに分けて作成すると、必要な情報を見つけやすい手順書を作ることができます。
目次や構成を考える
手順書を作成するうえで一番重要なのは、目次や構成を考えることです。手順書の骨組みとなる部分として、構成案を考えておけば、手順書でカバーできる部分が増えます。また、構成の段階で不必要な情報を取り除くことができるため、手順書の精度を上げることが可能です。目次や構成の具体例としては次のとおり。
- 目次で手順書の範囲を説明
- 大まかな業務を大項目にする
- 具体的な業務を小項目にする
最初から完全な目次や構成を考えるのではなく、思いつく業務を書き出してみると良いでしょう。手順書の範囲内の作業を書き出して、不要な項目がないかを確認しながら構成を作ってみてください。
記載事項を担当や時系列で並べる
目次や構成で洗い出した記載事項を、担当や時系列で並べます。担当を明確にすると、誰がどの作業をするべきかが、誰にでもわかりやすくなるでしょう。
また、時系列で並べると手順が見やすくわかりやすくなるため、読む人が理解しやすい手順書となるのもポイントです。探している項目が見つけやすい手順書に近づくでしょう。
図や写真を使用する
手順書の複雑な作業や、文章では伝わりにくい作業がある場合には、図や写真を使って説明することもできます。図や写真は文字の約7倍の情報量があると言われていることからも、理解のスピードが早まることが期待できるのです。たとえば作業のコツを図解にしたり、製品の写真を適宜挟んだりすることでわかりやすい手順書が作成できます。
ただし、画像を入れ込みすぎると情報量が増えてしまい、読み手が混乱してしまう可能性もあるので、文章と図、写真のバランスを考えて作成しましょう。
手順書を試用し改善をする
手順書を作成したら必ず試用することが重要です。最初から完全な手順書を作成するのは難しいので、改善点を見つけるためにも試用してみましょう。
実務で使ってみて、改善点だと考えられる部分をできるだけ多く見つけ、改善していくことが精度の高い手順書を作ることにつながります。実際に使う担当者からのフィードバックは必ずもらうようにしましょう。
手順書が活用されるコツとは?
手順書は活用されて初めて意味を持つものです。そのためには、活用されやすい内容を目指しましょう。ここでは誰にでも使われやすい手順書の作成するためのコツを紹介します。
担当者が読むことを考えてわかりやすく書く
どの担当者が読んでも、わかりやすく理解できる表現で書かれているかを確認しましょう。手順書を作成するうえで重要なのは、誰が読んでも同じ作業を行って成果につなげられる内容になっているかどうかです。例えば専門用語を使用している場合には、その用語がどの担当者でもわかるものなのか、前提知識を必要とするものになっていないかを確認しましょう。
また、文章表現の誤解がないように、1つの文を短くして、主語と述語をハッキリさせるのもポイントです。1つの文章に2つの解釈が生まれないように注意してください。
活用することのメリットを伝える
手順書を作成して担当者に説明する際に、活用するメリットを具体的に伝えるようにしましょう。手順書を使う作業担当者は実務に追われているため、手順書を読むのが後回しになり、実際には使用しないという可能性もあります。
そういった事態を防ぐためにも、手順書を運用することでどんなメリットがあり、どんなデメリットがあるのかまで説明すると良いでしょう。具体的な説明例としては、「この作業書を使うと、業務時間が短縮できる」など、担当者が身近に感じられるメリットが効果的です。
確認方法を載せてセルフチェックを促す
手順書には作業基準の確認方法として、セルフチェック項目を載せておくのも良いでしょう。作業をしてみて、基準を満たしているかを確認できることは、担当者にとっても安心して作業を進められる材料になります。
担当者がセルフチェック項目を活用することで、手順書を手に取る機会が増え、使用するきっかけとなるはずです。担当者へのヒアリングなどで、作業基準を明確にして手順書にまとめておき、実務で活用できるものを作りましょう。
まとめ
手順書は、書き方手順や活用されるコツをおさえて作成することで、担当者に読んでもらいやすく使いやすいものとなります。また手順書の作成者は、作業担当者が手順書を使うことができる環境づくりも大切です。作成者と作業担当者の連携を取り、より良い製品をつくるための精度の高い手順書を作っていきましょう。
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