衛生管理とは?基本項目の「5S」とHACCPの衛生管理についても解説

衛生管理には気をつけているという方がほとんどだと思いますが、衛生管理を行うための項目は曖昧になっている印象があります。今注目されている「HACCP」の中でも衛生管理は重要事項なので、この機会にきちんと理解しておきましょう。この記事では、衛生管理の基本項目やHACCPの衛生管理などについても紹介します。

 


衛生管理の基本項目「5S」とは?

 

 

食品衛生の3大原則は「細菌をつけない」「細菌を増やさない」「細菌をやっつける」で、これを現場で守るためには「健康管理」「服装規定」「手洗い」という3つの項目が重要です。

 

そして、その項目の上に衛生管理の基本5項目があります。「5S」と呼ばれていて、すべて日本語のローマ字読みをしたときに「S」から始まっていることが由来です。覚えやすくて、わかりやすいので、実践につなげてみましょう。

整理

整理(Seiri)とは、不必要なものを処分することです。常に必要なものと不必要なものを区分けする習慣をつけて、必要なものは保管し、不必要なものは適切に処分することで衛生管理ができます。

整頓

整頓(Seiton)では物を定位置管理し、必要なものを必要な時にすぐ使用できるようにします。作業効率を上げることにもつながるため、重要な項目といえるでしょう。

 

清掃

清掃(Seiso)は、常にゴミ、汚れ、異物を取り除くことを徹底するための項目です。定期的に行いマニュアル化することで精度を上げることができます。重要なのは、汚れが蓄積する前に清掃することです。蓄積したあとでは除去するのに時間とコストがかかってしまうため注意しましょう。

清潔

清潔(Seiketsu)という項目では、微生物学的にも清潔というレベルまで洗浄、除菌することが必要です。施設、設備を清潔にするだけでなく、身だしなみも清潔感を心掛けるなど、両面から心掛けていきましょう。また、清潔から「洗浄」「殺菌」を独立させて「7S」とする考え方もあります。

 

しつけ

しつけ(Shitsuke)とは、先述の整理、整頓、清掃、清潔のルールを守ることを各従業員の習慣にすることです。知識を習得させることで、5Sの基本項目を守り続けられるようにするのが目的となっています。

 

最近では、5Sに「洗浄」と「殺菌」を加えた食品衛生7Sという考え方も出てきています。食品衛生7Sについて詳しく知りたい方はこちらのブログを参考にしてみてください。

5Sを発展させた食品衛生7Sとは?各項目の内容や注意点を解説

HACCPにおける衛生管理とは?

 

 

HACCPとは「危害要因分析重要管理点」のことです。HACCPにおける衛生管理の役割とは、その中の「危害要因」を科学的根拠に基づいて管理していくことを指します。

 

危害要因(ハザード)とは、食品の原材料の入荷や製造工程、製品の出荷までの全ての工程において人体に影響を及ぼす可能性のある要因のことです。この危害要因を避けるために衛生管理が必要とされています。

 

危害要因(ハザード)は、生物学的要因、化学的要因、物理的要因に分けられますが、そのすべての工程で人体への影響を低減、除去するための管理方法が定められています。

 

日本では、2020年6月にHACCPの義務化がスタートしました。しかしHACCPによる衛生管理は1995年の時点で製造基準のある業種を対象に「総合衛生管理製造過程の承認制度」としてスタートしていました。それほど、HACCPにおける衛生管理は重要視されてきた項目なのです。

 

衛生管理者とは?

 

 

衛生管理者とは、工場や事業所の衛生を管理する担当者のことです。労働者が安全に働けるよう、労働条件や労働環境の改善、さらには疾病予防の対策なども担当するため、有資格者からの選任であることが義務付けられています。衛生管理を知るためには、衛生管理者についても確認しておきましょう。

衛生管理の正しい知識をもつ選任者

衛生管理者は、衛生管理について正しい知識を持っていることが重要です。そのため、衛生管理者資格や医師免許などを持っている人から選任されます。

 

また、必要な管理者数は事業所の労働者数ごとに決まっており、常時50人以上の労働者がいる事業所では必ず管理者を1人以上選任しなければなりません。

第一種、第二種資格がある

衛生管理者の資格は国家資格で、第一種と第二種があります。第一種は、有害業務を含む事業所で業務を行うことができる上位資格です。有害業務とは、労働者の健康に悪い影響を与えるような業務のことをいい、労働者の命に関わる可能性もあるため、責任の重い資格です。第二種は、有害業務に関係のない業務の事業所に業務を行うことができます。

 

具体的には、第一種は電気業、ガス業、水道業などで、第二種は金融業、保険業、情報通信業などです。

 

本稿では詳しく触れませんが、衛生管理者の資格の種類や選任義務などについて詳しく知りたい方はこちらのブログを参考にしてみてください。

衛生管理者とは?資格の種類や選任義務などをわかりやすく解説

まとめ

 

 

衛生管理ついて理解しておくことは、HACCPにおいても重要です。すでにHACCPをスタートさせている企業も多いかもしれませんが、「5S」を徹底したり、衛生管理についての正しい知識を身に着けたりして準備しましょう。

 

 

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