品質マネジメントシステム(QMS)とは?類似用語とあわせて紹介

品質マネジメントシステムは、製品やサービスの品質を向上させるために運用するものです。「QMS」という略称で知られていて、主に製造業や建設業などで使われています。QMSには類似用語があるため、誤用しないように注意が必要です。

 

そこで今回は、品質マネジメントシステム(QMS)や類似用語についても解説します。

品質マネジメントシステム(QMS)とは

 

品質マネジメントシステムとは、QMS(Quality Management System)と呼ばれ、「品質を向上させ、顧客満足という目標を達成するためのマネジメントシステム」のことを指します。ここでは、この品質マネジメントシステムがどのようなものか解説します。

品質を向上させるために有効な取り組み

品質マネジメントシステム(QMS)とは、組織が製品やサービスの品質を向上させるために有効な取り組みのことを意味します。ここでいう「品質」とは、顧客の期待するレベルの製品やサービスを提供することです。

 

例えば、不良品を出さないための取り組みも、製品やサービスの品質を向上させるために有効な取り組みといえます。顧客は購入した商品が不良品ではないことを期待していますので、万が一製品に不備があった場合は顧客の期待を裏切ることに。

 

そうした事態を防ぐためにも品質マネジメントシステムによってクオリティを管理、向上させることは重要です。

臨床試験の治験依頼者の責務でもある

2016年11月のInternational Council for Harmonization of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use(ICH)の大阪会議で、臨床試験・研究におけるQMSの実装は、治験依頼者の責務であると明文化されました。

 

そのため、QMSは臨床試験全体のプロセスにも適用されます。以前はQMSが治験依頼者の責務であるとされていなかったため、根本的な考え方を正しく理解していなくても、業務が遂行できるようになっていた可能性がありました。

 

しかし、QMSの適用が治験依頼者の責務となることで、体系的な取り組みが求められるため、治験依頼者はQMSの臨床試験・研究での具体的な成果を意識することに。

 

これからは、臨床試験の治験依頼者もQMSを実践し、具体的でかつ簡易なツールを用いるなど、製品の品質を向上させるために有効な取り組みをしていくこととなるのです。

QMS省令とは

QMS省令とは「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」のことです。厚生労働省令のひとつで、医療機器に特化した品質管理の基準を定めています。

 

QMS省令では「ISO13485」という国際規格で医療機器の特化した法律に、日本独自の規定を上乗せしているため、ISO13485が改正されるとQMS省令も改正されます。

 

また、QMS省令を遵守するために必要な体制を定めた「体制省令」も策定されており、製品の製造管理や品質管理に対する製造販売業者の管理体制などが含まれているのです。

医療機器のQMS適合性調査とは

医療機器の製造販売業者と製造業者は、QMSの適合性を承認された後も5年を経過するごとにQMS適合性調査を受けるなどの決まりがあります。

 

このQMS適合性調査では、医療機器等を製造している製造所が厚生労働省で定める基準(QMS省令)に適合して、適切な管理のもとに医療機器の製造をしているかどうかを確認。調査方法は実地での立ち入り調査に加え、書面による調査もあります。

他の認証用語や類似用語をおさらい

 

 

QMSは、他の認証用語と似ていて混同しないように注意する必要があります。そこで、それぞれの認証用語の知識を定着させるために、おさらいしておきましょう。

ISO9001とQMSの関係

「ISO9001」は、品質マネジメントシステムに関する国際規格で、QMS規格の中で最も有名な規格です。業種・業態を問わず、あらゆる組織が利用し、認証を取得することができます。

 

認証を受けたということは、認証団体から認められたという証となり、会社の信頼感につながるのも特徴です。このISO9001の規格に沿ってQMSを構築することで、製品や組織が認証を受けることができます。

ISMSとは

ISMSとは「情報セキュリティマネジメントシステム(ISO27001)」のことです。組織の持つ情報を財産として認識し、不正アクセスや情報漏洩などの脅威から情報資産を適切に保護します。そして、情報の機密性、完全性を確保することで、情報資産の価値を高める目的で作られた規格です。ISMSは、情報資産の価値を高めることを目的としています。

環境マネジメントシステム(EMS)とは

環境マネジメントシステムは、EMS(Environmental Management System)といわれているもので、「全体的なマネジメントシステムの一部で、環境方針を作成し、実施し、達成し、見直しかつ維持するための、組織の体制、計画活動、責任、慣行、手順、プロセス及び資源を含むもの」です。

 

例えば、組織が与えている環境への影響を明確にして、リスクに対応するためのマネジメントシステムのことをいいます。

 

EMSは、環境方針について定めているため、顧客満足のQMSとは目的が異なります。

QMSのプロセスアプローチとは

 

プロセスアプローチとは、全体として最も適切な状態を確立するために、各プロセスの順序や相互関係などを、整理することです。例えば、製品を作る過程で、インプットの材料から、アウトプットの完成品を生み出す、その間の活動のことをいいます。このプロセスアプローチでは、プロセスの明確化が重要です。

 

プロセスには「過程、工程、方法、手順」といった意味があります。QMS(品質マネジメントシステム)に当てはめることで、過程や手順を明確化することを、QMSのプロセスアプローチと呼ぶのです。

 

このQMSのプロセスアプローチとして、自分たちのQMS(品質マネジメントシステム)は、どのようなプロセスから構成されているのかを考えることが重要に。このプロセスを考える上では、事業活動を構成するプロセスを知ることが必要です。

 

例えば、受託加工業であれば、受注プロセス、製造プロセスなど。自分の事業活動を構成するプロセスを確認し、プロセスアプローチにつなげる必要があるのです。

まとめ

 

品質マネジメントシステム(QMS)とは、品質を向上させるために有効な取り組みです。また、ISO9001規格の認証を受けるメリットもあるのも魅力といえます。QMSを積極的に活用することで、顧客満足を目指しましょう。

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