フードセーフティーの基本情報とフードディフェンスとの違いについて

消費者に安心してもらうためにも、食の安全は徹底して守るべきこと。そのような中では、フードセーフティーという考え方も知っておいたほうが良いと言えるでしょう。そこでこの記事では、フードセーフティーの基本情報やその考え方に当てはまる規格、似たような言葉であるフードディフェンスとの違いについて紹介します。

 

フードセーフティーとは

 

フードセーフティーとは、食の安全が損なわれるようなことが起こらないように安全体制を強化することを指します。ただ、これだけではフードセーフティーの具体的なことまで触れられていないため、以下の項目でもう少し深く見ていきましょう。

フードセーフティーにおける大前提

フードセーフティーを考える上では、「100%安全な食品は無い」という前提を知っておかなければなりません。そもそも、食品は自然界のものである上に、時代や環境に応じて管理すべきものが変化していきます。例えば、今では徹底的な予防対策が行われている新型コロナウイルスも、10年前には無かった存在です。だからこそ、絶対安全だと思いこむことなく、以下で紹介する具体的な対策を行わなければなりません。

具体的にどのようなことをするのか

フードセーフティーにおける安全体制強化の内容としては、いくつか挙げられます。主なものとしては、異物混入を防ぐシステムの導入や適切な温度管理の実施、ステップマットや粘着ローラーなどによるゾーニングの徹底など。

 

フードセーフティーを行うにあたっては製造工程の管理や工程の安全性を保つことが大切です。

フードディフェンスとの違い

フードセーフティーの似たような言葉としてフードディフェンスがありますが、きちんとした違いがあることをご存知でしょうか。

 

フードセーフティーは食の安全性や安心を守るための対策である一方で、フードディフェンスは意図的な外部の行為から食品を守るための対策と言えます。日本語に訳せば、フードセーフティーが食品安全であり、フードディフェンスが食品防御です。

フードセーフティーとして当てはまる規格

 

HACCPやISO22000といった規格を聞いたことある方がいるかもしれませんが、実はこの規格もフードセーフティーの1つとして当てはまります。ただ、その規格は具体的にどのようなものなのでしょうか。

1.HACCP

HACCP(ハサップ)とは、食品製造における安全性を確保するための管理方法のこと。Hazard Analysis and Critical Control Pointの略称であり、日本語に訳すると危害分析重要管理点。2020年6月からHACCPの義務化がスタートし、2021年6月から完全制度化が始まります。

 

HACCPではまず食品製造の工程をチェックして、危害が起こりそうなところを分析。もしあれば重要管理点として設定し、科学的な根拠をもとに管理を行います。

 

また、HACCP自体が正しく行われているかのチェックも行い、問題箇所には改善をしていくことで、安全性の管理を継続する必要があるのです。

2.ISO22000

国際規格であるISOには、ISO9000シリーズやISO14000シリーズなどがありますが、ISO22000シリーズという規格もあります。

 

ISO22000は食品安全マネジメントシステムに関する規格のこと。上記で紹介したHACCPもこの規格に含まれており、フードチェーンに関与する全組織を対象としています。

 

ISO22000を取得する効果としては、さまざま。主なものとしては、食の安全性に対するリスクの軽減や業務効率の改善、コンプライアンスの推進など。ただ、簡単に取得できるものではなく、ファーストステージとセカンドステージに分けられている登録審査が行われます。また、取得した後も定期的な審査があるため、きちんと管理しなければなりません。

フードセーフティーとマクドナルド

 

フードセーフティーを心がけている企業はいくつもあり、主なところではモスバーガーやタコベルなどが挙げられます。そこで具体的な企業の取り組みについて見ていくために、ここでは世界各地に店舗があるマクドナルドを例に挙げて紹介していきましょう。

マクドナルドによる3つの管理

世界的なハンバーガーチェーンであるマクドナルドでは、安全と品質、そして衛生という3つを食品管理システムによって管理。安全な食品をお客様に提供するためのフードセーフティーと優れた品質を保つためのフードクオリティをハイレベルな段階で維持し、生産者から店舗までの工程を適切に管理・運用しています。

創業から続く品質保証

品質管理に至っては、マクドナルドの創業当時から考えられてきたことです。同じ品質を保証するために牛の肥料や肉の部位まで決めており、当時の牛肉納入業者から強く反発されました。

 

ただ、その制度を貫くことで、いつでもどこでも同じ品質の商品の販売を実現するハンバーガーチェーン「マクドナルド」が生まれることになったのです。

まとめ

 

フードセーフティーは食の安全を守るために大切なことであり、フードディフェンスとは違った目的を持っています。だからこそ、この記事を読んだ上でしっかりと食の安全性や万が一に備えた対策などを改めて考えてもらえれば幸いです。

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