HACCPの管理基準逸脱とは?食の安全のために備えるべきこと

食の安全をつかさどるシステムである「HACCP」。そのシステムにおいて、「管理基準逸脱」とはどんな状態のことなのでしょうか?また管理基準を逸脱した場合のために、食の安全のために備えるべきことはあるのでしょうか。

 

今回はHACCPの管理基準逸脱についてチェックしていきましょう。あわせて、管理基準とは何かなども解説します。

HACCPの管理基準逸脱はどうなること?

 

HACCPのことは知っていても、「管理基準逸脱」のイメージが分からないこともあるでしょう。まずはHACCPの管理基準逸脱はどうなることかを解説します。

事前に決定した管理基準を逸脱すること

管理基準逸脱とは、もともと決定しておいた管理基準に達していない状態のことです。基本的には管理基準に沿った状態で運用することが求められます。そのため管理基準逸脱はあまりおこってはいけないものであり、もしも逸脱してしまった場合には適切な対処が必要です。

HACCPの管理基準とは

それでは、「HACCPの管理基準」とはどんなものなのかも見ていきましょう。

 

必須管理点・CCPと呼ばれている工程で、食の安全を保つためにどのような点がとくに重要なのかを決めます。ここで決められた重要ポイントのことを、管理基準・CLなどと呼ぶのです。管理基準を決める際には、「基準を守ることで殺菌処理などが正常にできるようになるポイント」を科学的根拠をもとにして設定する必要があります。

 

この管理基準が間違っていると、ずっときっちり管理し続けているのに危険な食品が流通してしまうことになりかねません。例えば「加圧加熱殺菌食品の製造基準」などをもとにして、「温度は〇度まであげて、その状態で〇分以上加熱する」や「においセンサーで異変がないかチェックする」といった、リアルタイムで確認できるような基準を作りましょう。

 

なお、管理基準に達しているかどうかを「モニタリング」と呼びます。もしも逸脱があった際にすぐ対処できるように、常時確認と記録をおこなうようにしましょう。

管理基準逸脱は安全性を確保できなくなる

前述のように管理基準は食品が危険な状態にならないためのチェック基準のことです。つまり、管理基準逸脱になった商品は安全性を確保できなくなります。そのため逸脱してしまった商品は、他の商品と混じらないうちに素早く廃棄することが重要です。

HACCPの管理基準逸脱に備えること

それでは、HACCPの管理基準を逸脱してしまわないようにすることや、逸脱時に備えておく事柄を紹介します。

安全性のために日頃のモニタリングが重要

先述した通り、管理基準を逸脱すると食の安全性が担保できなくなります。そのためいつでも安全性を保てるように、日頃のモニタリングが重要なのです。担当者、確認の頻度、どのように確認するのかをあらかじめ決定しておき、かならずその通りに実行するようにしてください。

 

検査は温度計や速度計、センサーなどを使っておこなわれます。検査の内容によっては、センサーなどの検査機器を変更したり測定の仕方の違いによる検査結果の変化があったりする場合も。間違った値にならないように、センサーなどの測定用の機器を同じものにしたり、担当者の教育もしっかりとしておいたりする必要があるでしょう。

観測結果の間違いでは?との先入観に注意

このように、担当者の検査実施方法やセンサーなどの検査機器によっても間違った観測結果になることがあります。そのため実際に管理基準逸脱となったときにも「観測結果自体が間違っているのでは?」と思ってしまいがちです。しかし、間違いだろうという先入観を持っていると、正しい結果がわからなくなってしまいます。

 

実際に管理基準逸脱があったときに見過ごしてしまわないように、先入観を持たずに対処しましょう。

改善措置を設定しておく

管理基準の逸脱がないように色々な手を打っておかなければなりませんが、備えておくべきことはそれだけではありません。手を尽くしても逸脱がおこってしまった場合に備えて、改善措置を設定しておく必要があるのです。

 

モニタリングをした結果、観測結果が管理基準に合わなくなってしまったのであれば、適切なコントロールができていない状態になっています。逸脱があった場合にはその商品に対する処置と、どうして管理基準の逸脱になってしまったのかを特定し、安心できる商品を作れる状態に戻すことが重要です。

 

まずは管理基準に沿わないのはどの商品かを速やかに見つけ出し、他の商品とは別にしておきます。品物がどんな状態なのかを確認し、再処理すれば商品として出荷できるのか、破棄するべきかを決定しましょう。

 

逸脱の原因究明も重要なポイントです。原因が分からないままでは再発の可能性が高くなってしまいます。機械の設定がおかしくなっているなら修正し、壊れているなら修理、なにか外部要因があるならその要因を排除するなどの確実な対処が大切です。

 

この際に適切な対応ができる限り素早くとれるように、工程やその重要性をよく知る現場の責任者などを改善措置の実施担当者として選んでおきましょう。そして、管理基準逸脱があったときには、改善措置をどのように実施したのかを文書で記録するようにしましょう。

逸脱しないよう更に厳しい工程管理基準を

このように逸脱があった場合に備えてさまざまな対策を練っておきますが、そもそも逸脱しないようにしておくことが重要です。管理基準からの逸脱を避けるために、その基準よりも更に厳しい工程管理基準を設定するようにしましょう。更に厳しくしておくことで、より対応が厳格化されて基準内で納められるようになります。

まとめ

今回はHACCPの管理基準逸脱とはどんなものかを解説しました。食の安全のために管理基準を作っているため、基準を逸脱することは安全性をおびやかすことです。いつもモニタリングを怠らないようにして、逸脱した際に見逃さずすぐに対処できるようにしましょう。

 

モニタリングをする担当者のスキルを上げること、何かあった際に対応する責任者に権限を与えてスムーズに対応してもらえるようにすることも重要です。さらに実際の現場ではもっと厳しい基準を使って管理することで、HACCPの管理基準からの逸脱を防げます。管理を徹底して、安心安全な食品を製造できるようにしましょう。

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