HACCPのモニタリングにおける基礎的な知識を紹介!

HACCPを知る上では、危害要因分析や管理基準などの専門用語を覚えておく必要があります。その中の1つとしてモニタリングという言葉もありますが、HACCPにおいてどのような意味を持っているのでしょうか。

 

そこで今回は、HACCPの専門用語であるモニタリングの基本的な部分について紹介します。なお、記事の前半ではHACCPの基礎に関する情報を掲載しているため、HACCPについての知識があいまいな方も、ぜひ読んでみてください。

そもそもHACCPとはどのようなもの?

 

モニタリングのことを紹介する前に、まずはHACCPのことを把握しておきましょう。「すでに知っているから大丈夫!」という方もいるかも知れませんが、知れば知るほど難しいものでもあるため、知っている方も改めてこの項目で復習しておきましょう。

HACCPの基本情報

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Pointの略称)とは、食品に対する衛生管理の手法のことです。危害要因分析に基づく重要管理点と呼ばれることもあり、日本だけではなく国際的な衛生管理手法として広がっています。

 

内容としては最近や異物混入など、製品を製造する工程で起こる可能性がある危害を分析・整理し、継続的に管理しておくことで万が一のリスクを軽減するというもの。海外では義務化されている手法ですが、日本では他国よりも遅れて2020年に義務化が始まりました。

 

ちなみにHACCPは、「エイチエーシーシーピー」とは読まないため、注意しておきましょう。正しい読み方は「ハサップ」です。

4種類のHACCP認証

HACCP認証には、いくつかの種類があります。具体的には「地域HACCP」「業界団体HACCP」「総合衛生管理製造過程」「民間HACCP」の4種類。それぞれ認証する組織が異なっており、「地域HACCP」は地方自治体が認証し、「総合衛生管理製造過程」」は厚生労働省が認証します。

 

ただ、認証してもらう際には、期間と費用がかかります。具体的な費用や期間に関しては、衛生管理の状態や指定認定機関等によって左右されるため、これから導入を考える方は注意しておきましょう。

HACCPの主な資格

HACCPに関する資格としては、「HACCP普及指導員」や「HACCPリーダー」などがあります。

 

「HACCP普及指導員」は公益社団法人日本食品衛生協会が定めている資格であり、研修を受けた上で申請すれば取得できます。「HACCPリーダー」に関しては研修を受ければ取得可能なものではなく、一定の実務経験が求められるため、取得を検討している方は気をつけておきましょう。

モニタリングの前に7原則12手順をチェック

HACCPを知る上では、7原則12手順も欠かせないポイント。これらは実際にHACCPを導入する上で欠かせないものであり、これから導入を検討している方は必ずチェックしておかなければならないと言えるほど重要です。だからこそ、HACCPについての知識を深めたい方は、こちらの項目もチェックしておきましょう。

HACCPの主な7原則

HACCPの7原則としては、「重要管理点(CCP、クリティカルコントロールポイント)の決定」や「改善措置の設定」、「記録と保存方法の設定」などがあります。

 

この中には、後ほど紹介する「モニタリング方法の設定」も含まれています。7原則は危害要因を分析したり、管理基準を決定したりなどする上での内容が記載されていることから、万が一に備えるためには必須の内容です。

HACCPの主な12手順

一方で12手順の中には、「HACCPのチーム編成」や「製品説明書の作成」、「製造工程一覧図の作成」などがあります。12手順は7原則を含んでおり、手順の1から5までを終えた上で、原則1から7までをこなしていきます。

 

手順に関しては、HACCP導入を決定した後から進めていくものであるため、導入することを決めたら手順1であるHACCPチームの編成から始めていきましょう。

モニタリングと7原則12手順の関係性

上記で紹介したように、モニタリングに関する項目は7原則12手順に含まれています。もし7原則12手順のことを知らないまま、以下で説明することを学ぼうとしても、きちんと把握できないことでしょう。

 

また、モニタリング以外の手順や原則との関係性もあり、これらを把握した上でモニタリングに関する知識を深めていったほうが効率よく学べます。

HACCPのモニタリングに関する基礎知識

基本的な部分を踏まえた上で、今回の本題であるモニタリングの基礎知識を見ていきましょう。

 

この項目では、そもそもの意味を押さえた上で、間違われやすい検証の違いや設定方法などを紹介します。実際に行う際にミス無く進めるためにも、必ず読んでおきましょう。

そもそもモニタリングとは?

モニタリングは直訳すると監視という意味になりますが、HACCPの場合はクリティカルコントロールポイント(危害要因を定期的にモニタリングおよび管理できるポイント)がきちんと管理されているのか、定期的に確認して記録することを指します。

 

管理する上で使うものとしては、温度計や時計、速度計など。モニタリングを実際に行う上では、行う人物やモニタリング方法と頻度、そしてその内容を明確にしておくことが重要。なぜなら、明確にしておけば多くの人が把握しやすくなり、現場に反映しやすくなるためです。

モニタリングと検証の違い

ここまで読んだ方の中には「モニタリングと検証って同じでは?」と思うかもしれませんが、そのようなことはありません。モニタリングは、前述したようにクリティカルコントロールポイントがきちんと管理されているかどうかを決められた頻度でチェックすることです。

 

一方で検証は、客観的証拠を提示した上で、要求事項が満たしているかどうか確認することを指します。検証に関してはHACCPとの関わりが深いISO22000における語句の定義からですが、それでも双方とも意味が違うため、間違えないようにしましょう。

モニタリング方法の設定はどうすればいい?

モニタリング方法を設定する際は、「誰が何をどのくらいの頻度でどのように行うのか?」ということをハッキリとさせておきましょう。

 

理由は前述したように、現場へ反映しやすくなるため。あいまいだと反映しにくくなるどころか、現場が混乱してしまう恐れがあります。だからこそ、ごまかすことなく方法に沿って進めていきましょう。

万が一が起きた場合の対処法

もし万が一のことが起きたのであれば、改善措置を行います。もちろん、改善措置を行う際もモニタリング方法の設定と同じく、ハッキリと分かるようにしておきましょう。

 

その際、手順に沿って改善措置の方法をまとめておけば、トラブルが起きてもスムーズな対応ができます。また、対応するためにはきちんと支持ができる担当者も大切になるため、担当者選びは慎重に行いましょう。

まとめ

今回はHACCPのモニタリングについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。モニタリングはHACCP7原則12手順に含まれているものであり、実際に行う際は誰が何をどのくらいの頻度でどのように進めていくのか明確にしておく必要があります。

 

一見すると大変に思えるかもしれませんが、製品の安全性や徹底した衛生管理を行う上では重要なことであるため、忘れないようにしておきましょう。

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