おすすめのHACCPの記録・管理アプリ15選。特徴や業種別の選び方も紹介

HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害要因分析・重要管理点)とは、原材料の受入から提供までの各工程における健康被害のリスク分析や管理を通して食品の安全を確保する衛生管理手法です。

 

2021年6月から食品を扱う全事業者にHACCPの導入が義務付けられ、衛生管理計画の作成や実施状況の記録が求められています。食中毒や異物混入などを引き起こす危害要因の特定や、食品の安全確保による信頼向上のためには徹底した衛生記録・管理が必要です。

 

しかし、HACCPの導入・運用にあたって衛生管理計画の作成や記録をすべて紙の帳表で行うと、従業員の負担が大きくなり業務効率も低下する可能性があります。

 

そこでこの記事では、効率的な衛生管理体制の構築におすすめなHACCP記録・管理アプリの基本的機能や種類、食品製造業、飲食店、飲食物を提供するホテル・旅館など業種別の選び方を解説します。

 

HACCPの記録・管理アプリとは

HACCPの記録・管理アプリとは、HACCPに沿った衛生管理の実施に必要な記録のデジタル化による記録漏れの防止や、記録紙の印刷・受け渡しなどの業務削減を目的に開発されたアプリです。

 

HACCP対応のアプリを使用することで、衛生管理計画や記録表の作成、記録、データ保管までの作業が端末操作だけで行えます、そのため現場で働く従業員の記録漏れの防止や管理者(品質管理担当者や工場長、ライン長、代表など)が承認や転記せずに済みます。結果的に、従業員の負担軽減や業務効率化、衛生管理レベルの維持・向上による安全な食品の提供が可能になります。

 

万が一、製造・調理工程で問題が発生した場合も、アプリの検索機能を使えば紙の記録を探すよりも素早くデータを見つけ出し、迅速な原因究明や改善に繋げられます。スマートフォンやタブレットで導入・運用できる手軽さや直感的に使える操作性の高さもHACCP記録・管理アプリの特徴です。

HACCPの記録・管理アプリでできること

HACCP記録・管理アプリには以下の機能が搭載されており、業務効率化や記録の紛失防止、コスト削減に役立ちます。具体的にできることは以下のようなものがあります。

 

  • テンプレートをもとに記録帳票を瞬時に作成
  • スマホやタブレット端末での衛生管理の記録で抜け漏れ防止
  • 離れた場所でも、記録の一元管理と報告書の作成が可能

 

衛生管理業務のデジタル化を進めることで記録漏れや記入ミスも軽減し、健康被害のリスクを抑えられて結果的に顧客からの信頼向上に繋がります。

テンプレートをもとに記録帳票を瞬時に作成

大抵のHACCP対応アプリには記録帳票のテンプレートがあるため、衛生管理計画や記録表の作成を誰でも瞬時に行えます。アプリに搭載されているテンプレートは、基本的に厚生労働省の手引書に準拠しています。そのためテンプレートに沿って入力するだけでHACCPに沿った衛生管理に必要な記録ができます。

 

アプリでHACCPの記録を取ることで、毎日記録紙を用意する必要がなくなり、印刷や配布にかかるコストの削減も可能です。

 

初期費用としてスマートフォンやタブレットの購入費用、設定の手間はかかりますが、長期的な視点で考え、業務効率化や衛生管理レベルの維持向上による企業の信頼度売上アップを狙うほうが企業の成長に貢献するでしょう。

スマホやタブレット端末での衛生管理の記録で抜け漏れ防止

HACCP記録・管理アプリはスマートフォンやタブレットで記録作業を行うため、従業員は紙とペンを使う必要がなくなります。その結果、紙の帳票(記録紙)やペンなどの筆記用具が食品に混入するリスクを抑えられるのはもちろん、水や油が紙に染みて書けなくなることや、記録紙を破損・紛失することなどの問題も防げます。

 

HACCP記録・管理アプリの中には、点検のタイミングで端末に通知を飛ばすリマインダー機能(通知機能)を備えているものもあります。

 

リマインダー機能を使って重要な管理項目の記録を担当者に知らせることで、記録漏れを防ぎ徹底した衛生管理体制を構築できます。また「◯」や「✕」をタップするだけで記録が完了するような選択式で記録できるアプリもあるので、解読不可能な文字で承認作業が進まないということも防げます。

 

さらには、記録を取るだけではなく、正確な作業方法がリアルタイムで把握できるように記録画面に、動画やPDFでマニュアルを一緒に添付できるものもあります。、そのため作業自体の業務効率化・標準化にも寄与します。

離れた場所でも、記録の一元管理と報告書の作成が可能

スマートフォンやタブレットで記録したデータは、アプリ内もしくはクラウド上に保存されるため離れた場所でも一元管理が可能です。そのため現場の従業員が事務所の管理者や工場内を回っている工場長などの管理者を探して提出する手間がなくなります。

 

管理者側も自分のデスクで記録の確認や承認を行える上、必要なデータもすぐに見つけ出せます。アプリによっては、ExcelやPDFへの変換・印刷も可能になっており、取引先への必要資料提出やISO認証やJFS規格、FSSC22000などの内部・第三者監査も円滑に進められます。

 

店舗や事業所を複数持っている企業の場合、アプリのダッシュボード機能で各店舗・事業所における実施状況の把握やデータ分析が容易になり、問題の早期発見や改善に繋げられます。

HACCPの記録・管理アプリの業種別の選び方

HACCPの導入や運用は食品を扱うすべての事業者に義務付けられていますが、HACCP記録・管理アプリの選び方は食品製造業、飲食店、飲食物を提供するホテル・旅館など業種別で以下のように異なります。

 

食品を扱う業種

HACCPの記録・管理アプリの選び方のポイント

食品製造業

大量に製造される製品ごとに抜け漏れなく記録できる機能(スケジュール機能や写真を使った記録など)があるか

飲食店

多店舗の情報を一括管理できるか

飲食物を提供するホテル・旅館

食品の衛生管理以外の業務でも使用できそうか

HACCPの記録・管理アプリの業種別の選び方

 

既存の端末でアプリを操作できるか、閲覧・管理権限を設定できるかについては、どの業種でも確認すべきポイントです。外国人従業員が在籍している企業は、翻訳機能付きで幅広い言語に対応しているアプリを選ぶと教育コストの削減に繋がります。上記を参考に、自社の事業内容や運営体制に適したツールを選びましょう。

食品製造業

食品製造業では日々大量の製品が造られるため、製品ごとの衛生記録を抜け漏れなく残せる機能が搭載されているアプリを選びましょう。具体的には、事前に登録したスケジュールで記録を促す通知を送る機能があったり、スマートフォンやタブレットのカメラを使用し、写真や動画で記録が残せる仕様になっていたりするものです。

 

通知によって、従業員へ記録を促し、記録漏れを防止することで、管理者が確認・承認時に記録漏れを発見し、再度現場へ確認しに行く手間を省きます。さらに写真を添付した記録にすることで、文字だけでは伝わらない詳細な情報を残せるため、問題の早期発見や現場責任者への引き継ぎが容易になります。

 

また工場の電波が弱かったり、通信環境が整備されていなかったりする場合は、オフラインでも記録可能なアプリを選びましょう。作業が停滞したり、記録が残らなかったりするリスクを防ぎ、通信環境に左右されない円滑な業務を遂行できます。導入するHACCPアプリが製造に関わる設備の始終業点検でも使えるのであれば、機械や設備の不具合もすぐに対応でき、生産停止などの発生も未然に防げます。

 

さらに最近では、IoTとの連携可否もHACCP記録・管理アプリを選ぶポイントになってきています。。アプリとIoTを連携できれば、冷蔵庫・冷凍庫や室内温度などの数値データを自動記録できるため、従業員の業務負担や人的ミスをなくせます。

 

▶ 食品製造業におけるHACCP記録・管理アプリを選ぶポイント
  ・記録を促す通知機能
  ・写真や動画での記録可否

  ・オフライン(インターネット環境がない)状況での使用可否
  ・IoTとの連携可否

飲食店

飲食店でHACCP記録・管理アプリを導入する際は、多店舗の情報を一括管理できる機能があるかを確認しましょう。各店舗で入力した情報をアプリ内やクラウド上に集約し、本部の担当者がひと目でチェックできれば、衛生上の問題や改善策を整理してスムーズに指示を出せます。

 

記録の進捗や異常発生時のアラート通知も本部で確認できると、未入力の店舗に点検の実施を促したりフォロー体制をすぐに整えたりしてトラブルの発生を未然に防げます。

 

店舗ごとに提供するメニューが異なる飲食店では、記録項目をカスタマイズできるかどうかも確認すべきポイントです。メニューや使用する機械に応じて、記録項目や点検方法を設定できると、季節ごとのメニュー入れ替えや材料、調理手順に適した衛生管理を行えるので、安全な食事の提供が可能になります。

 

さらに、飲食店ではホールとキッチンの兼務や従業員の体調管理も必要になるため、店舗運営中でもすぐに記録が取れる仕様になっていると良いでしょう。たとえば「◯」や「✕」のどちらかを入力する選択式の記録機能が搭載されているアプリを使うと、短時間で作業が完了するため従業員がホールやキッチンなどの担当業務にすぐ戻れます。

 

▶ 飲食店におけるHACCP記録・管理アプリを選ぶポイント
  ・他店舗情報の一括管理ができるか
  ・記録の進捗や異常検知のアラート機能

  ・記録項目が自由に変更できるか
  ・選択式などの入力のしやすさ

飲食物を提供するホテル・旅館など

飲食物を提供するホテル・旅館には、衛生管理の他にもフロントや客室清掃、大浴場の管理など、メインの業務も幅広くあります。そのため、HACCPの記録・管理アプリを選ぶ際は、HACCPに沿った衛生管理を実施するための基本的な機能だけでなく、他の業務でも使用できる機能があるアプリを選ぶと良いでしょう。

 

例えば、同じ衛生・品質管理の観点で考えると、大浴場の温度管理や塩素濃度の記録、複数店舗の巡回業務、客室清掃などがあります。アプリの記録機能を大浴場の温度や塩素濃度の点検時に使えば、正確な数値データに基づく管理が可能になるほか、手軽な操作性で記入ミスも防げます。

 

各店舗の記録内容もリアルタイムで一元管理できるため、本部の担当者が現場を回らなくても問題の早期発見や改善に向けた指導を行えます。客室清掃についても、チェックリスト機能が搭載されているアプリを選ぶと点検作業の効率化が進み、データを集約することで提供するサービスの品質を統一できます。

 

▶ ホテル・旅館など飲食店におけるHACCP記録・管理アプリを選ぶポイント
  ・基本的なHACCPに関する記録・管理
  ・HACCPに沿った衛生管理以外での使用方法

  ・各店舗でのデータを一元管理できるか

おすすめのHACCP記録・管理アプリ15選

HACCPに沿った衛生管理を適切に実施し、安全な食品を提供するためには自社の目的や現場の実態に合ったアプリを選ぶ必要があります。HACCPの導入や運用におすすめの記録・管理アプリを以下の表にまとめました。

 

サービス名

初期費用

月額費用

特徴

翻訳機能

IoT

オフライン

カミナシ

問合せ

問合せ

・ナビゲーション付きのデジタル帳票

・食品製造業、飲食店向けの業界別テンプレート

haccplog(ハサップ ログ)

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フリープラン:無料

ベーシックプラン:33,000円

プレミアムプラン:64,900円

・チェック項目ごとに記録を付ける担当者の割り当てが可能

・製造予定を把握するスケジュール機能

HACCP Station(ハサップ ステーション)

問合せ

問合せ

・シンプルなデザインと直感的な画面操作

・クラウド上で現場とやり取り可能

FOOD CAPTAIN FHMS(フード キャプテン)

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ライトプラン:1,100円

スタンダードプラン:8,800円

・温度異常時のアラート通知

・感染症対策の健康、衛生チェック

GRASP-HACCP(グラスプ ハサップ)

問合せ

問合せ

・出勤時や入室時の体調確認

・食品衛生の専門スタッフを全国に配備

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HACCPヘルパー

22,000円

3,300円(※月額換算)

・計画表や記録表をPDFファイルに出力

・使用端末の制限機能

HACCPクリエータ

問合せ

問合せ

(30日間の無料トライアルあり)

・フローダイアグラムの自動作成機能

・ISO22000、JFSなどの食品規格に対応

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はやラクHACCP

問合せ

問合せ

・約60項目に及ぶチェックリストとマニュアルのテンプレート

・冷蔵庫、冷凍庫の温度推移を一元管理

Kiralia-HACCP(キラリア ハサップ)

問合せ

問合せ

・衛生管理状況をエリア別、個店別で分析

・専門スタッフの初期設定サポート

お店のHACCP

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・記録データを8年間保存

・チェックシートに写真を添付可能

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簡単HACCP

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・記録と衛生管理計画を一画面で表示

・計画の変更点を瞬時に反映

HACCP Bell(ハサップ ベル)

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650円

(初月無料)

・計画表や記録表を1年間クラウド保存

・保存データをスマートフォンからプリントアウト可能

スマホdeチェック

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2,000円

・内部監査の報告書や統計処理データの作成

・点検日時の記録で不正防止

Hygiene Support(ハイジーン サポート)

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・従業員を最大100名まで登録

・2種類の記録機能

飲食店HACCP ベーシック・クラウドチームワーク/卸売市場HACCP

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・招待コードで従業員を追加

・1ヶ月分の記録をバックアップ

おすすめのHACCP記録・管理アプリ15選の一覧

必ずしも有料のHACCP記録・管理アプリを使うべきとは限りませんが、無料は使用できる機能が制限される可能性もあります。効率的かつ確実な衛生管理体制の構築に必要な機能やコストを見極め、表を参考に選びましょう。

カミナシ レポート

カミナシ レポートは、食品製造業の品質管理・衛生管理などの現場で使われるチェックシートやマニュアルの電子化をサポートするアプリ(ツール/システム)です。

 

カミナシ レポートトップページ

カミナシ レポートには、HACCPに沿った衛生管理で必要な記録が取れるようなテンプレートがあります。テンプレートは、食品製造業や飲食店向けなど業界別で用意されているため、一から帳票を作らずにすぐ使い始められます。もちろん、自社製品に合わせたチェック項目の追加や変更も可能です。HACCP認証やISO規格、FSSC22000、JFS規格を取得する際もカミナシ レポートで作成したデータが使えるため、監査時に必要な帳票をファイルから探し出し、用意する手間も省けます。

 

さらに、カミナシ レポートの特徴として多言語翻訳(40言語以上に対応)があり、事前にスケジュールを登録すると、記録するタイミングを教えてくれる通知機能があります。そのため誰でも確実に記録できる仕組みを作れます。

 

また食品製造工場などの電波がない場所、届きにくい場所でも使えるオフライン機能があったり、IoT連携も可能になっていたりするため、記録を確実に取る仕組みが備わっています。

 

haccplog(ハサップログ)

haccplog(ハサップログ)は、食品製造業に限らず飲食店やホテル・旅館でも利用可能な衛生管理に特化したHACCP記録・管理アプリです。

 

haccplog(ハサップログ)のサービスイメージ画像引用元:haccplog丨株式会社松幸産業

 

衛生記録の入力画面には食材や手洗いの手順などチェック項目に関するイラストがあらかじめ添付されており、IT機器を使い慣れていない従業員や外国人スタッフでも簡単に作業内容を理解できます。

 

チェック項目ごとに担当者を割り当てる機能で記録漏れの防止が可能になり、カレンダーに製造工程を入力するスケジュール機能を使えば現場責任者が1日の予定を組みやすくなります。

 

製造・調理工程で問題が発生した場合は衛生管理計画の作成画面から再発防止に向けたチェック項目を追記できるほか、変更点は翌日の記録表に自動で反映されるため従業員に素早く周知できます。

 

haccplogで利用できるのは基本機能(一般衛生管理や重要管理点の記録など)を備えた無料のフリープラン、月額27,500円のベーシックプラン(担当者の割り当て機能や記録帳票の出力機能など)、月額55,000円のプレミアムプラン(スケジュール機能やおすすめの衛生チェックをメッセージで通知するレコメンド機能など)です。

 

操作感を試してから本格的な導入を検討したい店舗や企業は、基本機能を無料・無期限で利用できるフリープランを選びましょう。

 

参考:haccplog丨株式会社松幸産業

HACCP Station(ハサップ ステーション)

HACCP Station(ハサップ ステーション)は、無線の温度センサーとWi-Fi対応のゲートウェイによる24時間体制の自動記録や複数店舗のデータ集約などの機能で、現場と管理者の衛生管理業務にかかる負担を解消するシステムです。

 

haccp station(ハサップステーション)のサービスイメージ

画像引用元:HACCP Station丨原田産業

 

帳票管理・温度計測・従業員の健康状態を一元管理することで現場の効率的な記録作業が可能になります。

 

冷蔵庫・冷凍庫や室内の温度を自動計測する無線対応の専用センサーも用意されており、手入力の記録作業をなくすことで業務時間を削減できます。温度に以上が発生したときは、アラート機能ですぐに気づけるため迅速な問題解決が可能です。

 

また各店舗・事業所の実施状況を一元管理できるダッシュボード機能は、トラブル発生時の迅速なフォローや従業員指導による衛生管理レベルの向上を実現します。レポート・コメント機能を活用することでメールや電話を使った煩雑なやり取りが解消され、本部の方針を素早く現場に反映できるのも良い点です。

 

参考:HACCP Station丨原田産業

FOOD CAPTAIN FHMS(フード キャプテン)

FOOD CAPTAIN FHMS(フード キャプテン)は、HACCPに沿った衛生管理で必要な重要管理計画の作成や一般的衛生管理計画の作成に加え、オプションでIoTを活用した効率的な記録ができるのが特徴のHACCP記録・管理アプリです。

 

FOOD CAPTAIN FHMS(フードキャプテン)サービスイメージ

画像引用元:FOOD CAPTAIN FHMS丨株式会社ハピクロ

 

FOOD CAPTAIN FHMSのオプションで追加できるIoTセンサーを使えば、冷蔵庫・冷凍庫と連携し、温度や室内の温湿度、店内の換気基準となるCO2濃度を自動記録できるようになります。そのため記録時の入力作業が不要になるほか、誤記入などの人的ミスをなくし正確なデータに基づく衛生管理が可能になります。

 

異常値を感知したら担当者のスマートフォン等に通知が届く機能もあるため、食品事故の発生リスクを軽減する管理体制をつくれます。新型コロナウイルス感染症対策として、従業員の健康・衛生チェック機能を備えているのも特徴です。調理・製造現場に限らず従業員の健康状態も徹底管理することで安全な衛生状況を維持できます。

 

FOOD CAPTAIN FHMSのプランは小規模事業者向けと多拠点・多店舗展開向けの2つが用意されており、どちらも有料です。IoT自動記録機能を追加する場合は、月額8,800円の別途料金がかかります。

 

参考:FOOD CAPTAIN FHMS丨株式会社ハピクロ

GRASP-HACCP(グラスプ ハサップ)

GRASP-HACCP(グラスプ ハサップ)は、IoTを活用して、冷蔵庫や冷凍庫の温度管理・記録に重きをおいたアプリです。

 

GRASP(グラスプ)サービスイメージ

画像引用元:GRASP HACCP(グラスプ ハサップ) | サラヤ株式会社

 

IoTと連携した冷蔵庫・冷凍庫の温湿度、食品温度の自動記録管理システムによって、現場で働く従業員の負担軽減や安全な食品の提供が可能になります。

 

自動記録されたデータは、パソコンやスマートフォンから専用サイトにアクセスすることでいつでも確認可能です。2年分のデータが保管されるため、問題発生時や監査時など過去のデータが必要なときに素早く情報を抽出して迅速に対応できます。

 

本部や各店舗で扱うデータは、すべてクラウド上で一元管理されます。そのため、メニューの追加・変更に応じて温度測定の対象品目を修正する際も、本部の担当者が登録するだけで各店舗・事業所にすぐ最新情報を伝えられます。

 

また食品衛生の専門スタッフが全国に配備されているため、全国展開している大規模企業でも導入しやすく、従業員が正しい知識やスキルを身につけることで衛生管理レベルを高められます。

 

参考:GRASP HACCP(グラスプ ハサップ) | サラヤ株式会社

HACCPヘルパー

HACCPヘルパーは、小規模の飲食店・食品製造業のHACCP導入や運用をサポートするアプリです。

 

HACCPヘルパーのサービスイメージ

画像引用元:HACCPヘルパー丨株式会社高志インテック

 

飲食店や食品製造業に限らず、卸売業やスーパーマーケットにも対応しています。厚生労働省が公開している業種別の手引書を参考にした衛生管理計画のテンプレートを用意しているため、必要な項目を入力するだけで自動的に作成できます。

 

衛生記録は、スマートフォンやタブレットを使って「良」や「否」の選択式や数字キーで入力する仕様になっています。そのため、IT機器に不慣れな従業員でも簡単かつ正確に記録を残せます。内閣官房の通知に基づく感染症予防対策を行うためのチェック項目も搭載されており、より強固な衛生管理体制の構築や食品の安全確保が可能です。

 

作成した記録帳票をPDFファイルに出力する機能もあるため、データをパソコン上に保存するときや紙ベースの資料が必要なときにもすぐ対応できます。またデモを事前の申請無しで使えるのも良い点です。サイト下部にデモ用のIDEAとパスワードがあるので、気になる場合は一度デモで操作を確認してみると良いでしょう。

参考:HACCPヘルパー丨株式会社高志インテック

HACCPクリエータ

HACCPクリエータは、食品製造業における原材料の受入から出荷までの流れを図式化したフローダイアグラムの作成・出力のサポート機能に特化したアプリです。

 

HACCOクリエータのサービスイメージ

画像引用元:HACCPクリエータ | 株式会社サン・プラニング・システムズ

 

製造工程で必要な作業情報、健康被害を引き起こすリスク分析の結果を登録するだけで、フローダイアグラムに反映されるので、書類作成にかかる業務負担を軽減できます。フローダイアグラムを修正する際も、工程図形を接続する線を自動で引き直す機能や工程番号の付け直し機能を活用することで作業の手間を省けます。

 

フローダイアグラムに登録した情報は、危害要因をまとめたハザード分析表や記録帳票への変換やExcel形式での出力も可能です。データを連携させることで複数文書への転記作業が不要になり、各書類の整合性を保てます。

 

またHACCPクリエータの入力項目はISO22000に準拠していますが、テンプレートをカスタマイズすれば自治体HACCPやJFS、SQFなどさまざまな食品規格にも対応できます。

 

参考:HACCPクリエータ | 株式会社サン・プラニング・システムズ

はやラクHACCP

はやラクHACCPは多店舗展開している飲食店向けに開発された、衛生管理状況を一元管理するアプリです。

 

はやラクHACCPのサービスイメージ

画像引用元:はやラク HACCP丨ライオンハイジーン株式会社

 

チェックリストに対して「はい」か「いいえ」で答えるだけで、記録が取れるようになっているので、システム導入後における従業員の業務負担や教育コストがかかりません。

 

また衛生管理計画も、企業や店舗の情報を入力すると自動で作成できます。テンプレートとして約60項目のチェックリストとマニュアルを利用できるため、企業や店舗の実態に合わせて内容を組み替えられる柔軟性もあります。

 

複数店舗の記録実施率やアラート件数をひと目でチェックできるダッシュボード機能を活用すれば、管理者の業務負担軽減や問題発生時の迅速な対応も可能です。店舗ごとの日別集計データや推移を比較することで、衛生管理指導が必要な店舗の洗い出しや改善に向けた対応策も打ち出せます。

 

ダッシュボード機能では冷蔵庫・冷凍庫の温度推移も一元管理できるため、些細な異常に気づきやすくなり設備不良による食品ロスを防げます。

 

参考:はやラク HACCP丨ライオンハイジーン株式会社

Kiralia-HACCP(キラリア ハサップ)

Kiralia-HACCP(キラリア ハサップ)は、「OK」と「NG」を選択するだけの簡単な記録様式や多角的な視点からのデータ分析機能などを搭載し、現場と本部における衛生管理の迅速な対応を実現するツールです。

 

Kiralia-HACCP(キラリア ハサップ)のサービスイメージ

画像引用元:Kiralia-HACCP(キラリア ハサップ)|花王プロフェッショナルサービス

 

記録方法は選択式のほかにも、紙の書類をカメラで読み取りデータ化する、IoTと連携して自動計測するなどの機能を現場に合わせて使えます。HACCPの導入による現場の混乱を防ぐため、店舗の実態に合わせて衛生管理項目をカスタマイズする、電子システムと紙ベースの帳票を並行して運用するなどの柔軟な対応も可能です。

 

各店舗の衛生管理状況はリアルタイムで本部に集約されます。実施状況は自動でグラフ表示されるほか、全社傾向やサービス別などさまざまな形式で分析できるため、異常が発生している店舗の把握が容易になりフォローすべき事象を洗い出せます。またシステムの導入時は、専門スタッフによる初期設定のサポートや衛生管理手法の提案を受けられます。

 

参考:Kiralia-HACCP(キラリア ハサップ)|花王プロフェッショナルサービス

お店のHACCP

お店のHACCPは、従業員50人未満の小規模飲食店向けに開発されたアプリです。衛生管理計画や日々の記録をスマートフォンだけで一元管理できます。

 

お店のHACCPのサービスイメージ

画像引用元:食品衛生チェックアプリ『お店のHACCP』 | USEN INSURANCE

 

衛生記録のデータは8年間クラウド上に保存されるため、食品事故や顧客からのクレームなど問題が発生してもすぐに記録を遡り、原因究明や改善策の考案に役立てられます。

 

記録時に使用するチェックシートは、質問に対して「YES」か「NO」をタップする選択式です。冷蔵庫や冷凍庫の温度も数値を入力するだけで作業を完了できるため、店舗運営中の忙しい時間帯でも短時間で記録を残せます。写真による記録機能も使えば、管理者が現場の状況を把握しやすくなります。

 

お店のHACCPは無料で利用できますが、USEN少額短期保険の「お店のあんしん保険」飲食業特約、または「ビジネスリスクGuard」飲食業補償の契約が必要です。各保険の補償内容を確認し、契約の必要がある場合は同時にアプリの利用も検討しましょう。

 

参考:食品衛生チェックアプリ『お店のHACCP』 | USEN INSURANCE

簡単HACCP

簡単HACCPは小規模飲食店が完全無料で利用できるアプリです。スマートフォンがあれば、アプリのインストールと会員登録だけですぐに使えます。

 

簡単HACCPには、すべての食品に共通する「一般衛生管理」と、提供するメニューや調理方法に合わせて行う「重要管理」に関するチェック項目が設けられています。記録画面には衛生管理計画の内容も同時に表示される仕組みになっており、管理項目とチェック方法を確かめながら作業を進めることで確実な記録を残せます。

 

衛生管理計画は記録画面から手軽に修正し、瞬時に変更点を反映できるため、計画・実行・改善のサイクルを素早く回して衛生管理レベルを継続的に高められます。重要管理項目については、調理方法ごとのチェック方法をテキスト入力することで食品事故に繋がるリスクや注意点を詳細に伝えられます。

 

HACCP運用にあたって、最低限の機能があるツールを低コストで利用したい小規模飲食店は導入を検討してみましょう。

 

参考:小規模飲食店向け食品衛生管理アプリ「簡単HACCP」 | 株式会社スズカ未来

HACCP Bell(ハサップ ベル)

HACCP Bell(ハサップ ベル)は、衛生記録のクラウド保存やプリントアウトにも対応している小・中規模飲食店向けのアプリです。

 

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画像引用元:HACCP Bell[ハサップベル]丨関東食糧株式会社・株式会社インテンス

 

テンプレートからメニューを選び、材料や調理方法に合ったチェック項目を追加・変更することで店舗の実態に合った衛生管理計画を作成できます。

 

衛生記録も「◯」や「✕」で入力できるため、スマートフォンの操作に不慣れな従業員でもすぐに作業を覚えられます。「✕」をつけた項目には、理由や改善策を入力することで現場責任者への円滑な引き継ぎや問題発生時の原因究明にも役立ちます。

 

衛生管理計画や一般衛生管理、重要管理に関する日報・月報は1年間クラウド上に保存され、用途に応じて印刷も可能です。家庭用プリンターやコンビニのマルチコピー機でも印刷できるため、個人経営の飲食店でも紙ベースの資料を保管できます。

 

HACCP Bellは初月無料ですべての機能を試せるほか、有料プランに切り替える場合も無料プラン利用時のデータを引き継げます。

 

参考:HACCP Bell[ハサップベル]丨関東食糧株式会社・株式会社インテンス

スマホdeチェック

スマホdeチェックは、多店舗展開している飲食店やホテル・旅館、スーパーマーケットのHACCP導入・運用に対応しているアプリです。

 

スマホdeチェックのサービスサイト

画像引用元:スマホdeチェックHACCPアプリ丨株式会社Work Together

 

一般衛生管理、重要管理、新型コロナウイルス対策の3つに関する計画を本部で一括作成し各店舗に共有でき、現場ではアプリに沿って記録するだけで厚生労働省の手引書に沿った衛生管理基準を満たせます。

 

各店舗の衛生管理状況は、クラウド上にリアルタイムで共有されます。そのため、食品事故の防止に向けた問題発見や指導・教育を担当する従業員の業務負担が軽減し、複数店舗を管理する本部の業務効率化を進められます。

 

HACCP運用に関する内部監査機能や検査報告・改善報告の書類作成機能もあるため、衛生管理レベルの維持・向上に繋がり企業としての信頼度も高められます。記録日時を自動で付与するタイムスタンプ機能を使えば、いつ・誰が作業したのかが明確になりデータ改ざんや不正利用防止にも役立ちます。

 

参考:スマホdeチェックHACCPアプリ丨株式会社Work Together

Hygiene Support(ハイジーン サポート)

Hygiene Support(ハイジーン サポート)は、小規模飲食店での円滑なHACCP導入・運用を可能にする無料アプリです。

 

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画像引用元:ダスキンのHACCP対応アプリ「Hygiene Support」丨株式会社ダスキン

 

アプリをインストールし、店舗名やメールアドレスなどの基本情報を入力するだけで導入が完了します。

 

アプリ自体は小規模飲食店向けですが、チェック項目の確認・承認を行う従業員を最大100名まで登録できるほか、IDやパスワードを設定することで複数店登録も可能なため店舗全体で連携を取った衛生管理体制を構築できます。

 

衛生管理項目を設定する際は、テンプレートから不要なものを非表示にしたり、店舗に合わせて並び替えたりすれば記録作業の効率化にもつなげられます。

 

記録方法は、対話形式とリスト形式の2種類です。新人は実施内容を確かめながらチェックできる対話方式、ベテランは点検結果や特記事項をダイレクトに入力できるリスト形式など、スキルや経験値に応じた記録方法を選ぶことで従業員のHACCP運用に対する心理的ハードルを下げられます。

 

参考:ダスキンのHACCP対応アプリ「Hygiene Support」丨株式会社ダスキン

飲食店HACCP ベーシック・クラウドチームワーク/卸売市場HACCP

飲食店HACCP ベーシック・クラウドチームワーク・卸売市場HACCPは、小規模飲食店や卸売市場における衛生管理計画や記録表をスマートフォンで管理する無料アプリです。

 

飲食店HACCPベーシック・クラウドチームワーク/卸売市場HACCPのサービスサイト

画像引用元:虹│飲食店HACCP公式

 

厚生労働省が公開している手引書に準拠している計画書のフォーマットが用意され、基本的な項目もあらかじめ入っているため、サンプルを参考に内容を調整するだけでHACCPに沿った衛生管理を実施できます。

 

「クラウドチームワーク」と「卸売市場HACCP」では、招待コードを従業員に入力してもらうことで記録データの情報共有や作業の役割分担が可能になります。

 

データの閲覧・編集権限の設定はできませんが、衛生管理計画の変更記録はアプリ内に残されるためデータの不正利用や改ざんリスクを軽減できます。1ヶ月分の入力が完了したら、データの振り返り機能で衛生管理基準を満たせているかひと目でチェックできるため、分析結果を活かして次月の改善にも繋げられます。

 

参考:虹│飲食店HACCP公式

HACCPの記録・管理アプリで効率的で確実な衛生管理を実施しよう

HACCP記録・管理アプリは、HACCPに沿った衛生管理を適切に実施し食品の安全を確保する上で有効なツールです。衛生管理計画や記録表を瞬時に作成し、アプリ内やクラウド上に保存することで業務効率化を進められます。

 

記録データを一元管理すれば問題の早期対応・改善が可能になり、衛生管理レベルの維持向上にも寄与します。

 

HACCP記録・管理アプリを導入する際は、自社の目的や現場の実態に合ったツールを選ぶことが効率的かつ確実なHACCP運用のためには重要です。

 

必要な機能やコストを見極めた上で適切なアプリを選ぶと、現場の従業員にHACCPが浸透して顧客満足度の向上に繋がる効果的な衛生管理体制を構築できます。

 

本記事を参考にHACCPの記録・管理アプリを導入し、効率的で確実な衛生管理を実施しましょう。

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