食品衛生法とはどんなもの?規格基準や容器包装について解説

食品衛生法は、飲食によって生じる危害の発生を防止するために定められている法律。その範囲は、食品に限らず口に入るものとして容器包装や幼児用のおもちゃまでもが含まれるのです。この記事では、食品衛生法の規定基準や容器包装について紹介します。

 

食品衛生法とは?

 

 

 

食品衛生法とは、日本国内の安全な飲食のために定められた法律です。食品だけでなく食品の容器包装なども対象となるので、食品や容器包装を取り扱う業種では営業許可が必要。ここでは、食品衛生法の概要や営業許可について解説します。

安全な飲食のための規制等を定めた法律

食品衛生法は昭和22年、日本国内における飲食による危害の発生を防止するために制定されました。食品と添加物に対しての基準を定めており、管轄は厚生労働省と消費者庁です。時代の食文化が変化することに応じて、随時法律の改正が行われています。

 

食品衛生法により規制されていることは、安全が確保されていない不衛生な食品の販売や配布の禁止です。主な禁止事項は以下の通り。

 

  1. 腐敗していて色や味が変わっているもの、未熟で食せないもの
  2. 有毒、有害な物質が含まれていたり、付着していたりする可能性があるもの
  3. 病原微生物で汚染、汚染の疑いがあり、人の健康を損なう恐れのあるもの
  4. 不潔、異物の混入・添加などで、人の健康を損なう恐れのあるもの

法律による営業許可が必要な業種は34業種

 

食品衛生法では、営業許可を受けた企業のみが営業できると定めています。営業許可が必要な業種は34業種にも及び、数年ごとに再度許可の取得が必要です。

 

営業許可が必要な業種は、主に調理業、製造業、処理業、販売業に分類されています。例えば、調理業の中には、飲食店はもちろん旅館なども含まれており、飲食を伴う企業はすべて営業許可が必要といえるでしょう。

対象は医療品以外のすべての飲食物

食品衛生法の対象となるのは、医療品と医療部外品を除くすべての飲食物です。この飲食物には、添加物も含まれます。また食品だけでなく、口に入るものとしては、食器や食品を入れる容器なども食品衛生法の規制の対象です。

 

食品衛生法による規制の対象として、幼児用のおもちゃも対象となっていますが、同じ口に入るものでも歯ブラシやたばこは規制の対象外となっています。

食品衛生法の規格基準とは?

 

 

食品衛生法の規格基準とは、食品が安全であることの基準です。一定の安全を確保するための規格基準を定めて、規格規準を満たさない食品は流通しないように定められています。

 

つまり、この規格基準を遵守することが食品による危害の発生を防ぐのです。食品衛生法の考えの基本となる部分なので、確認しておきましょう。

一定の安全を確保するための規格や基準

食品衛生法では一定の安全を確保するために規格や基準を設けており、この規格や基準に合わない食品の製造、使用、販売は禁止されているのです。

 

また保健所は、流通する食品について監視指導を行っており、規格や基準に合わない食品が流通することのないように努めています。規格基準の例としては下記の通りです。

 

  • 成分規格
  • 製造基準
  • 加工基準
  • 調理基準
  • 使用基準
  • 保存基準

食品以外にも規格基準が定められている

食品以外でも、食器や食品の容器包装については、規格基準が定められています。その範囲は、食器や容器包装だけでなく、食品や添加物を調理、製造するための器具なども対象です。

 

対象物が多いため、取り扱う食品関係の器具が対象であるかは保健所へ問い合わせてみてください。

容器包装の規格基準とは?

 

 

 

容器包装の規格基準も、食品衛生法によって定められています。日本国内で製造、販売する容器包装の製品は規格基準に適合していなければなりません。また規格基準は、容器包装の材質ごとに定められています。製品の材質を確認した上で、規格規準を確認しましょう。

器具と容器包装が対象

容器梱包の規格基準は、器具も対象です。食品衛生法で定められている容器梱包とは、食品や添加物を入れているか、包んでいるもので、食品などを消費者へ受け渡すときにそのまま一緒に渡すものをいいます。

 

また器具とは、食品や添加物の採取、製造、加工、調理、貯蔵、運搬、陳列、授受または摂取に使用されるものです。食品などに直接接触する、機械や器具は対象と考えておきましょう。

 

容器包装の材質によっても規格規準は異なり、ガラス、陶磁器、ホウロウ引き、合成樹脂、ゴム、金属缶などに分類されて定められています。

ポジティブリストの導入

2018年6月の食品衛生法の改正で、ポジティブリスト制度が導入されました。ポジティブリスト制度とは、基準が設定されていない農薬等が一定量以上含まれる食品の流通を原則禁止する制度です。

 

ポジティブリストの導入により、食品衛生法の規制の対象である食品用器具や容器包装についても、安全性を評価した物質のみを使用可能としています。

 

また、プラスチックについては、2020年6月の食品衛生法改正で、ポジティブリストの規制対象物質が30から1,000物質以上に増えました。特にプラスチックの容器包装について、対策が強化されているといえるでしょう。

食品衛生法の改正の主な変更点とは?

 

 

 

2020年6月の食品衛生法改正でも、重要な変更点がありました。変更点の中でも「HACCP(ハサップ)」の義務化などは耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。「HACCP」は導入期限が定められているので、最新の変更点は早めに確認しておきましょう。

「HACCP」の義務化

HACCPとは、「Hazard Analysis and Critical Control Point」の略称で「危害要因分析重要管理点」のことをいいます。2020年6月の食品衛生法改正で、HACCPは日本でも義務化されました。

 

HACCPは衛生管理の方法です。食品の衛生管理方法を見える化して、食品に対するリスクを低減します。

 

「HACCP」義務化の対象は、全ての食品関連事業者。すでに法律では義務化がスタートしていますが、経過措置期間が設けられているため、2021年6月までの導入が必須です。

営業許可制度の見直し

「HACCP」の義務化にともない、食品衛生法による営業許可制度も見直されています。営業許可業種の見直しの要点としては、営業許可が必要な業種の新設です。

 

食中毒などのリスクや規格基準、過去の食中毒発生状況を踏まえて、業種を再編しています。新たに営業許可が必要となるのは、漬物製造業、水産製品製造業、液卵製造業などです。

 

対象となった業種は、2021年6月以降の指定された期間に営業許可の届け出をする必要があります。

営業届出制度の創設

HACCPの制度化により、原則として食品を扱うすべての事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務付けられます。そのため、営業許可の対象業種以外の事業者に届出制度が創設されました。

 

営業届出制度があることで、すべての事業者の事業所の所在地を保健福祉事務所等が把握できます。更新の必要はない制度で、2021年6月以降の決められた期間に事業者側からの届け出が必要です。

まとめ

 

 

食品衛生法は、日本国内の飲食の安全を守る重要な法律です。食品以外にも容器包装や器具などに規格基準が定められています。2020年6月からのHACCPの義務化とも関連する法律なので、食品衛生法の最新の情報を把握しておきましょう。

 

初心者でもわかるHACCP導入マニュアルの資料ダウンロードはこちら