CCPとは何?|HACCPとの関係性や意味を「分かりやすく」解説

CCP(Critical Control Point:重要管理点/必須管理点)は、食品安全管理の手法の一つであり、消費者に危害を与えないために食品製造や加工工程などにおいて、特に重要なチェック箇所を指します。

 

HACCP(Hazard Analyysis Critical Control Point)は、HA(危険要因分析)とCCPで成り立ちます。この記事では、CCPとは何かHACCPとの関係性、食品ごとのCCP例を解説します。

 

 

CCPとは、消費者に危害を与えないための食品製造における確認箇所

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CCPとは、「Critical(重要な)Control(管理)Point(箇所)」の頭文字をとった、消費者に危害を与えないための食品製造における確認箇所を意味します。CCPでは、消費者に危害を与えないために、重要な管理箇所を定め、それを科学的な根拠を基にチェックしていきます。

 

食品業界では製造工程上で様々なトラブルが考えられます。例えば、

 

  • 製造工程内で異物が混入してしまったり…
  • 加熱処理がうまく行えずに食中毒を引き起こしてしまったり…。

 

こういった消費者に対する危害を防ぐために必要なものこそが「CCP」です。

 

また、食品によって重要にチェックすべきポイント(CCP)が異なるのも一つの特徴です。

肉製品のCCPは?

まずは肉製品を販売するときのCCPです。ここで、肉製品を販売するうえで、起こりうる危険(消費者に与える危害)を一緒に考えてみましょう。

Q1. 肉製品を販売するときに、消費者に与えてしまう可能性がある危険(危害)は?

いくつ思い浮かんだでしょうか?いくつかの危険が考えられますが、ここからは高い危険性を孕み、恐ろしいものである「食中毒」を例に取り上げてみます。

 

では次に、食中毒を未然に防ぐために最終的にどうしたらいいのか?を考えてみましょう。

Q2. 食中毒を防ぐために、最終的にどのようにしたらいいか?

製造段階で原因となる菌が入らないよう、製造環境を完全に消毒する etc…

などといった対策などもありますが、最終的に商品を提供する直前にできる対策と言えば「商品をしっかりと加熱処理する」ことです。

 

このように、肉製品を販売する場合、消費者への危害を防ごうとすると、最終的にチェックしなければいけないポイントは加熱処理ということになり、肉製品の場合はこれがCCP(重要な管理箇所)の一つとなります。

パンのCCPは?

もう一つ例を挙げてみましょう。商品がパンの場合はどうでしょうか?

 

食パンの場合は、パンを焼くときに使用する金属製の型の一部が欠けて混入してしまう可能性があります。このように、食パンに限らず異物の混入などはたびたび報道される危害ですが、こちらもきちんとCCPを設定し危害を防がなくてはいけません。

 

パンの製造のような、金属の混入が考えられる商品の場合は、出荷前に「金属探知機を通し、金属片の混入がないか」のチェックがCCPとして設定されます。このように、CCPは製造食品ごとに異なるものが設定され、考えられる危害を未然に防いでいるのです。

CCPは科学的根拠が出せるものに限定される

また、CCPを設定する際には「科学的根拠を出すことが可能なもの」に限定されるという特徴があります。一例として冷凍食品における、HACCPに基づく衛生管理のための手引書を紹介します。

 

(1)HACCPプランの作成
食品安全・衛生・品質に影響を及ぼす全ての工程は、作業手順に従い工程管理を行うこと。そのうえで、すべての製品に対して以下の記載に沿ったHACCPプランを作成することが必要である。 ただし、類似した製品、工程およびCCPについては、科学的かつ合理的な根拠があれば、特定のアイテムを代表とした製品群として一括作成することが可能である。
なお、全ての危害要因に対してCCPを設定する必要はなく、科学的な根拠があれば、一般的衛生管理や、後述する「特定衛生管理計画の設定」で管理しても構わない。また、後の工程でより効果的に危害要因をコントロールできる工程がある場合は、CCPの対象にしなくてよい。

引用元:冷凍食品製造事業者向け HACCPに基づく衛生管理のための手引書|日本冷凍食品協会

 

CCPは、科学的根拠をもとに設定しなければいけなく、食品ごとに手引書はわけられているので、詳しくは厚生労働省の「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」を参考にしてみてください。

科学的な根拠をもったCCPのイメージができたら、HACCPを導入するための流れを把握すると良いでしょう。

 

HACCPは、全ての食品等事業者(食品の製造・加工、調理、販売等)が対象ですが、従業員数や業種などの基準次第で対応方法が異なります。まずは以下の導入マニュアルで自社の対応方法がどちらかを確認してみると良いでしょう。

 

HACCPとCCPの関係性とは

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CCPと強い関係性を持った言葉に「HACCP(ハサップ)」というものがあります。

こちらも食品業界で働くうえでは必須の知識です。

 

では、HACCPとは何なのか、CCPとの関係性とは何なのかについて「分かりやすく」解説していきましょう。

HACCPはHAとCCPで成り立っている

HACCP(ハサップ)というのはその文字通りに「HA」と「CCP」の2つをもって成り立っている言葉です。

 

「CCP」とは先ほど解説した通り危害を未然に防ぐためのチェックポイントのこと。

「HA」というのは、製品に残る可能性がある危害をすべて洗い出す作業のことです。

 

先ほどの肉製品の説明のときに、

 

  • Q.1 肉製品を販売するときに、消費者に与えてしまう可能性がある危険(危害)は?
  • Q.2 食中毒を防ぐために、最終的にどのようにしたらいいか?

 

という二つの質問を考えてもらいました。

 

実はこの流れこそが「HACCP」の考え方なのです。先ほどの質問では、Q1.で考えられるすべての危害を洗い出し(HA)、Q2.でそれに基づいて危害を防ぐためにチェックすべきポイント(CCP)を設定しました。

HAとCCPを1つにして管理するシステムがHACCP

「HA」と「CCP」を設定したら、今度はそれをきちんと管理しなくてはいけません。この2つの要素を管理するシステムこそが「HACCP」です。そのため、関係性を強弱で表現すると「HACCP」という大きな食品安全管理システムの中に「CCP」という要素が含まれていることになります。

CCPとHACCPのまとめ

CCPとは、製造工程内で起こりうる危害を未然に防ぐためのチェックポイントのこと。HACCPとは、危害を洗い出しチェックポイントを設定したものを管理するシステムのこと。また、CCPはHACCPを構成する要素の一つとして挙げられます。

 

食品業界においてHA・CCP、そしてHACCPは必須の知識となりますのでよく理解しておきましょう。

 

また、HACCPには7原則12手順というものがあります。HACCPでは、この7原則12手順に基づいて「HA」と「CCP」を行うことで食品製造工程での危害を防いでいます。

 

どのような手順でHACCPの導入を行えば良いのか、どんな企業が対象になるのかは以下の資料でご覧ください。

 

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