ISO14001とは?初心者にも簡単にわかりやすく徹底解説

私たちが住む地球は、地球温暖化や大気汚染、森林減少などさまざまな環境問題を抱えています。そんな世界の現状において世界的に注目を集めるのが、ISO14001の環境マネジメントシステムです。

 

日本でも注目度の高い規格のひとつですが、そもそもISO14001の概要や規格がどのようなものなのかわからない人も多いでしょう。そこで今回は、ISO14001を初心者でもわかりやすく解説します。

 

ISO14001はどんなもの?

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それでは、環境マネジメントシステムであるISO14001について説明します。食品産業は環境問題と密接に関係しているため、まずはISO14001の基礎をしっかり理解しましょう。

ISO14001とは

ISO14001は、スイス・ジュネーブに本拠地を置く国際標準化機構(ISO)によって定められた環境マネジメントシステムの規格です。公益財団法人・日本適合性認定協会の調査によると、日本では2020年11月時点で約1万4千社を超える多くの企業が、ISO14001認証を取得しています。

 

そんなISO14001は、環境を保護しながら企業の環境パフォーマンスを向上させることを目的としたマネジメントシステムです。環境パフォーマンスとは、自らが発生させた環境への負荷に対して企業が環境保全活動に取り組んだ結果、どれだけ環境の負荷を削減できたかを示す指標を指します。

 

汚染物質の削減や省エネルギー、資源の節約などによって企業の環境パフォーマンスが評価され、環境パフォーマンスが高いほど環境にやさしい企業であることを周知されるのです。

ISO14001の規格とは

そもそも規格がどのようなものか知っていますか?ISOが定めた規格は、製品を世界中同じ品質のものを提供するための国際的な基準のことです。いわゆる世界の物差しのようなもので、国際的な取引をスムーズに行うために策定されています。

 

ただ、規格の対象は製品だけではなく、企業の環境活動などを管理するための仕組みもまたISO規格のひとつです。これらは「マネジメントシステム規格」と呼ばれ、環境マネジメントシステムを構築するISO14001の規格も含まれます。

 

ISO14001のマネジメントシステム規格では、企業が環境に与える影響を分析して環境リスクを最小限に抑えるための枠組みを構築。企業がISO14001認証を受けるには、マネジメントシステム規格のガイドラインに沿って企業独自の仕組みを構築することが求められます。

 

ISO14001を認証取得するメリット

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世界的にも関心が高まる環境問題への取り組みは企業に良い影響をもたらしますが、時間やお金をかけてISO14001認証を受けるメリットはあるのでしょうか。ここからは、ISO14001を認証取得するメリットについて解説します。

取引先を拡大できる

ISO14001を認証取得するメリットとして、取引先の拡大が期待できます。環境パフォーマンスを向上させ、環境にやさしい企業であることが印象付けられると同じ思想を持つ顧客へのアピールとなり取引先を拡大することができるのです。

 

実際にISO14001認証を受けたあとに、取引先が増えたと答える企業も少なくありません。また、取引先だけでなく、消費者へのアピールになることも大きなメリットです。

 

マイボトルを携帯するなど、今や個人レベルで環境問題に取り組む人も増えているため、同じく環境に配慮する企業に好感を抱きやすくなります。他の企業との差別化もできるので、業績向上も期待できるでしょう。

経費削減が期待できる

ISO14001のマネジメントシステムを構築する上で、省エネルギーや省資源の取り組みは必要不可欠です。例えば、自家消費可能な太陽光発電を導入したりLED照明を取り入れたりすることも省エネルギーへの効果的な取り組みになります。

 

省資源でいえば、企業でペーパーレス化に取り組めばゴミの削減にも効果的です。省エネルギーや省資源など環境への取り組みは企業のイメージアップにもつながりますが、それと同時に経費の削減が可能になります。

 

電力や紙の無駄遣いなど徹底的に管理できるので、今までかかっていたコストを最小限に抑えられるのです。ISO14001の導入は、電力や照明、資源などを見直す良い機会にもなるでしょう。

保険料を節約できる

損害保険会社の中には、ISO14001認証を受けた企業を対象にした割引商品を提供する会社も存在します。なぜ損害保険会社がISO14001認証に対して割引商品を提供しているかというと、環境リスク高まると保険金支払いの可能性が増すからです。

 

そのため、その支払いのリスクを抑えるために、環境に配慮した活動を行う企業に対して割り引いた商品を提供しています。ムダな経費を削減するとともに保険料も節約できるのは、ISO14001認証を受ける大きなメリットだといえるでしょう。

 

▶︎ISO14001を取得するメリットとは?デメリットも合わせて解説

ISO14001を認証取得するステップ

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次は、ISO14001認証を取得するステップを解説します。一連の流れを把握して、実際に準備を進めるときのイメージを掴みましょう。

1.専門チームをつくる

まずは、ISO14001認証の取得を目的とする専門チームを作ります。なぜなら、通常ISO14001認証を受けるには、準備も含めて長ければ数年はかかるといわれているからです。

 

他の業務と並行して準備を進めたり環境マネジメントシステムを構築したりするのは、従業員に大きな負担をかけることもあります。ISO14001認証に集中するためにも専門チームをつくることが望ましいです。

2.達成すべき目標を立てる

専門チームを作ったら、次はISO14001における自社の環境方針を定めましょう。いわゆる環境活動に対する目標で、ISO14001認証を受けるためには欠かすことはできません。

 

環境マネジメントシステムを構築する土台にもなるので、現時点での業務の状況を確認して企業が達成すべき目標を立てましょう。

3.作業内容を資料にまとめる

目標を定めたら、その目標を達成するための細かい作業内容を含んだマニュアルを作成します。マニュアルがあることで、従業員はそのルールに従って一律に取り組むことが可能です。

 

また、新入社員にもマニュアルを渡せば、同じように内容を理解して作業を進められるので、教育や指導にかかる時間も抑えられます。ただ、資料作成には時間がかかるため、チームが一丸となって取り組む必要があるでしょう。

4.資料に沿って実際に運用する

マニュアルが完成したら、実際にその通りに運用してみましょう。紙面上では合理的に進められるものでも、実際に人が運用することでうまく運用されていないケースも多いです。

 

ISO14001認証後は、このマニュアルに沿って継続的に作業を進めなければいけません。認証取得後のことも踏まえて、徹底的にマニュアルに沿ったテスト運用を行いましょう。

5.運用状況を確認する

マニュアルに沿って実践することで、問題点が浮き彫りになることもあるかと思います。その問題点をしっかり改善していくことで、マニュアルもより良いものに改良することができるのです。

 

PLAN(計画)・DO(運用)・CHECK(確認)・ACTION(改善)を繰り返して継続的に改善していく「PDCAサイクル」を用いて、マニュアルをブラッシュアップしていきましょう。

6.審査機関からの審査を受ける

ISO14001認証を受けるには、第三者機関による審査が必要です。企業が設定した目標や作成したマニュアルがISO14001の要求事項に満たしているかを確認され、その審査に通ればISO14001認証を受けることができます。

 

ISO14001認証にかかる3つの費用

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ISO14001認証の審査を受けるにあたり、それくらい費用がかかるのか気になっている人も多いでしょう。ISO14001認証には、準備費用・審査費用・人件費にかかる費用を考慮することが必要です。それぞれの費用を見ていきましょう。

準備費用

マネジメントシステムを構築する際にかかる準備費用は、自社ですべてを行うか、コンサルティング会社に依頼して作業進めるかで発生する費用も大きく異なります。

 

自社でマネジメントシステムを構築する際は、担当者が未経験者だった場合にISOについて知識を得ることが必要です。また、他の業務と並行して作業すすめなければいけないこともあるため、人件費がかかることも少なくありません。

 

一方、コンサルティング会社に依頼する場合は、そのサービスを受ける費用が必要です。自社で行うよりも費用がかかることも多いですが、マネジメントシステムの構築から認証までサポートを受けられるのが大きなメリットになります。

審査費用

審査費用は、その名の通り、ISO14001認証を受ける際にかかる費用のことです。ISO14001認証にあたり、ISO登録料や第一・第二段階審査料がそれぞれ発生します。

 

審査費用にかかる費用相場は企業の大きさにもよりますが、30万円〜100万円が一般的な相場価格です。審査機関の場所が会社から遠ければ、審査を行う審査員の交通費や宿泊代も支払わなければいけない場合もあります。

人件費

マネジメントシステムを構築するにあたり、マニュアル通りにテスト運用を繰り返し行い改良が必要です。通常の業務に加えて作業が増えるため、残業代など人件費がかかる場合があります。

 

また、ISO14001認証を受けたあとは、1年目と2年目に行われる「定期審査」に加えて、3年目には「更新審査」を受けなければいけません。更新審査に関しては30万円ほど費用が発生します。

 

マネジメントシステムを維持するための人件費はもちろん、更新費も必要になるということです。ISO認証は一度審査を通れば証明書を維持できるわけではないため、認証後にかかる費用もしっかり考慮する必要があるでしょう。

まとめ

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世界的に関心が高まる環境問題。スターバックスのストローが紙化するなど食品業界と環境問題は大きく関わっています。そんな環境問題に取り組む姿勢を滞在的に公表できるのがISO14001です。

 

ISO14001認証を受けることで、環境パフォーマンスを向上できるため取引先や消費者にも効果的なアピールをすることができます。また、省エネルギーや省資源で経費の削減が期待できたり保険料を節約できたりなど、さまざまなメリットを得られるのも重要なポイントでしょう。

 

しかし、ISO14001認証を受けるためには、準備や審査費用、人件費など多額のお金がかかることが予測されます。お金の面もしっかり考慮して、実際にISO14001認証を受けるか決断しましょう。

 

 

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