HACCP(ハサップ)について日本一簡単に分かりやすく解説してみた。

今回は日本一簡単に、そしてラフに、HACCPについて書いてみたいと思います。
これを読めば、皆さんも今日から一家言持てること間違いなしです。
それでは、行ってみましょう!


HACCPの読み方って?

さて、まず迷うのが読み方だと思うんです。私自身も、最初なんて読むのか全く分かりませんでした。

一番多いのは、『ハサップ』という呼び方ですが、中には『ハセップ』、『ハシップ』と言う方もいらっしゃいました。ネットで調べたら『エイチエーシーシーピー』というのも出てきました。流石に、これは聞いたことありません。絶対使ってはいけません。素人だと見抜かれます。

ここは、長いものに巻かれろ精神で『ハサップ』に統一して呼びたいと思います。

ちなみに、HACCPはHazard Analysis Critical Control Point」の略です。日本語にすると、「危害分析重要管理点」となります。何やら難しそうですね・・・

なんで今HACCPが話題なのか?

それは、日本政府が2014年に世界的な食品安全管理の基準である、HACCPの義務化を決定したからです。実は、この見直しが入る前は統一的な基準というのは存在していなかったんです。しかし、増え続ける外国人観光客や、2020年のオリンピックなどを控え、政府はHACCPの義務化を推進することを決めました。
これは、食品を提供するありとあらゆる業態が対象となる法改正になります。

食品工場だけでなく、ホテル、スーパーやレストラン、街の食堂までもが対象となります。石を投げればHACCP対象者に当たるくらい、多いですね〜。しかし中小企業の70%近くが未対応だったりします。そのため、巷のHACCP講習会はどこも満員御礼の状態が続いています。

どの企業も、『ヤバイ!そろそろ準備しないと!』と準備を始めているわけです。

でもチョット待って「うちもHACCP認証取らないと!」と思った、皆さん。安心して下さい!取らなくて大丈夫です。というのも、今回のHACCPで義務づけられるのは『HACCP管理の実施』です。

HACCPの認証取得の義務化ではないことに注意して下さい。

認証を取るとなると、高い費用や、時間も掛かります。もし、『認証取らないと大変ですよ〜』と言われたら、『義務化されていませんよね?』と切り返してみましょう。提案してきた方のアドリブ力が見れます。一方で、実際にこのような政府の動きを見て、取引先に対してHACCP認証取得を求める動きも広がっています。企業としては、このタイミングで取得するのも良いかもしれません。

A基準とB基準/自分の業界は?

では、実際にやろうとなった場合、まず考えるべきなのがこちらです!

『うちの会社はAなの?Bなの?』
という点です。平たく言えば、
大規模な食品に携わる業態で影響範囲が大きい企業は「A基準」。
それ以外が「B基準」です。上級者向けと、初級者向けですね。このあたり、最近では名称が変わってたりもします。だいぶ議論も進んで、情報も整理されてきました。


厚労省のページにも情報が充実してきましたので、参考になるURLを添付しておきます。

HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000483069.pdf

こちらに厚労省が作ったQAがあるので、参考にされると良いでしょう。

食品等事業者団体が作成した業種別手引書

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000179028_00001.html

各業界団体が作った手引書がにあります。

 

結局、HACCP管理ってどうやったらいいの?メリットは??

日本で一番短くHACCP管理の概要をまとめると、『人が死ぬ可能性がある危険なポイントに絞ってチェックする。もし、基準値を超えてしまったら即座に出荷停止出来る仕組み』です。これらを、科学的な見地に基づいて、作業工程の中で実施します。

 

 

そのメリットはズバリ、『力を入れる部分と、抜く部分を明確に分ける考え方』です。

全部の作業をチェックしなくてもOK!抜くところと、本気出すところを明確に分けないと現場大変ですよね!とHACCPは言ってくれてるわけです。

なんて現場想いなんでしょうか!!!

旧来のやり方との違い

これまでも、食品製造をしていた先輩方は品質管理に取り組んできたはずです。これまでのやり方がダメだったんでしょうか?そんなことはありません。きちんと安全性は担保されていました。


①全ての作業終了後、完成品サンプルを抜き出して検査する方法

②製造工程で関所を設けてチェックする方法

上がこれまでの方法、下がHACCPです。この2つを見た時に、明らかに①には大きな問題があります。原因が分からないんです。

①は製品に問題があることは分かりますが、「どの工程に問題があったのか?」が分かるわけではありません。食品工場の中では、「混ぜる」・「焼く」・「冷やす」・「盛り付ける」といった、多種多様な工程を経て製品になっていきます。

完成品で問題が起きた時に、

「ははーん、これは間違いなく盛り付ける時に問題があったんだな。」

とはなりません。

「盛り付けた人の手指に菌がついてたのかな〜?加熱が足りなかった?(ヤバイわからん)」

となります。

その間も、現場ではどんどん生産が続きますが、中々原因を特定することが出来ません。しかし、HACCPは違います。

HACCPは科学的手法

HACCPは、とにかく理詰めです。理屈が通らないことは決して許してくれません。具体的には、製造工程の中にCCP(クリティカル・コントロール・ポイント)という関所を設けます。このCCP(シー・シー・ピー)は現場との会話の中でも使われるので、よく覚えておきましょう。

具体的な例で見ると分かりやすいと思います。

例えば、牛肉料理を作るところを想像してください。まずはCCPという関所(チェック項目)を設けるために、牛肉にはどんな危険があるのかを分析するところから始めます。今回はイメージを掴むだけなので簡略化して進めます。

1,分析:お肉には■■菌がいます。

2,対処:■■菌は熱にとても弱いことが知られていて、●●℃以上で▲分加熱すると菌が死滅します。

3,CCP:そのため、最もクリティカルなポイントは「加熱工程」になります。

そこで、CCP1つ目は「加熱工程」に決まります。

ここでもう一つ大事なのは、CL(クリティカル・リミット)を決めることです。科学的と言ったのは、目に見える基準が存在するからです。

大腸菌は75℃以上でほとんど死ぬことが分かっていますから、この場合は、『加熱工程』『75℃以上1分間』加熱するという手法が決まります。非常に論理的ですね。しかも、その場でチェックが出来て、問題があったらすぐに出荷停止(廃棄)などの判断が可能です。

どんなメリットがあるの?

管理が大変になるだけじゃないの?とよく言われますが、個人的には、『力を入れる部分と、抜く部分を明確に分ける』ことが出来る点だと考えています。10個ある工程全てで細かくチェックして、気を張り続けるなんて大変ですよね?

もし、最後の10個目の工程にCCPがあったとします。『85度で加熱する』ことで、それまでの工程の危険な要因を全て解消できるなら、たった1つのCCPだけ記録して、気をつければいいんです。

1〜9の工程はリラックスして作業してもらって、CCPだけ本気を出して管理する、というのが、とても現場想いだな〜なんて思ってしまうのです(極端な例ですが)。

HACCPを実施する順序

さて、これまではHACCPの利点や最大の特長についてお話させて頂きました。とても合理的な仕組みで、上手く使えば現場の負担を減らすことが出来るということは分かって頂けたかと思います。

社内でHACCPを構築して運用するのは概ね、下記の順序で行っていきます。

1,危害要因分析をする
=工程並べて起こりそうな危険を洗い出します。

2,CCP(クリティカルコントロールポイント)を決める
=人が死ぬ可能性のあるポイントを絞る。コントロールと書いてある通り、作業の中でコントロールできないとダメです。

3,管理基準・CL(クリティカルリミット)を決める
=安全かそうでないかを決める境界線。計測できないとダメです。超えたら出荷停止する基準になります。

4,モニタリング
=CCPの記録になります。いわゆる、「帳票」です。CLを超えてしまい、問題があればすぐに出荷停止しないといけません。そのために、短時間で結果出るものじゃないとダメ。(検査室とかで時間かけて実施するものも、中にはあります。その場合は検査結果見てから出荷することになります。)

5,検証する
=主に品質管理部門のの担当領域です。菌検査などを実施して、CCPやCLが適正なのかをジャッジします。不必要なCCPは、抜いてしまってもOKです。

とても科学的で、現場にもメリットがあるHACCPですが、4の部分(モニタリング)で紙が増えることが想定されます。せっかく良い仕組を取り入れても、現場が紙だらけ・・・なんて大変ですよね。

 

ということで、最後に宣伝です!

どうせならば、HACCPを取り入れるタイミングでペーパーレス化を図り、品質と効率を同時に上げてしまいましょう。弊社では、現場へのHACCP導入の支援も行っております。お気軽にご相談ください。

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