総合的品質管理の基礎知識や似ている言葉との違いなどを説明

この記事では、総合的品質管理が分からない方や興味を持った方向けに、基礎的な知識や似ている言葉との違いなどについて説明します。業種によっては知っておくべき言葉であるため、ぜひ今回の記事を通じて学んでみてください。

 

そもそも品質管理とはどのようなものか

 

本題に触れる前に、まずは品質管理がどのようなものなのか理解しておきましょう。パッと見だと品質を管理する仕事と思うかもしれませんが、具体的な業務内容まで知っている方は少ないかもしれません。今回のテーマにも大きく関連することであるため、ぜひ業務内容や最適な人材の特徴などをチェックしてみてください。

品質管理の業務内容

品質管理の業務は、7つの道具と呼ばれるものを使って行います。7つの道具というのは、ヒストグラム・管理図・チェックシート・パレート図・特性要因図・散布図・層別のこと。聞いたこと無いものばかりかもしれませんが、これらは品質管理の業務を行う上で大切なものです。具体的には、パレード図を用いて不良品の種類の多さを調べたり、ヒストグラムでデータをまとめたりなど。これらの業務を行うことで、品質の管理を細かく行えるようになり、ちょっとした変化にも気づきやすくなります。

こんな人が品質管理の業務に向いている

品質管理の業務に向いているタイプとしては、主に3つあります。

 

まず1つ目はコミュニケーション能力がある人です。どの業界でも当たり前に求められるものと思われますが、品質管理であれば欠かせないもの。なぜなら、コミュニケーションを行うことで作業過程での問題点が見つかる可能性があるためです。

 

2つ目は、リスクマネジメント能力が備わっている人です。万が一に備えた対策ができる人は、品質を管理する上で何か問題が見つかったとしても、迅速に対応することが可能。その上、できる限り問題点を最小限に抑えることができます。

 

最後の3つ目は、数字に苦手意識が無い人です。上記で述べたように、品質管理の業務では図やデータを用います。そのため、数字に対する苦手意識がある場合は大変苦労してしまう上に、誤った調査結果になってしまうかもしれません。反対に苦手意識がない人であれば徹底的に分析及び追求ができるため、きちんとした結果を導き出せます。

品質保証との違い

人によっては「品質管理と品質保証は同じもの?」と思うかもしれませんが、それぞれ違いがあります。品質管理の仕事は、上記で分かるように製品・サービスが完成する前の段階で関わるもの。一方で品質保証は、製品の完成後やサービスの提供後に関わるものです。品質管理の業務内容は上記で説明しましたが、品質保証の場合はクレームの対応や出荷・販売に関する品質基準のチェックなどを業務としています。確かにどちらも品質に関わる業務とはいえ、関わる部分が異なるため、間違えないようにしましょう。

総合的品質管理とは?

 

総合的品質管理を説明すると、会社全般の品質の維持や向上を目指すための手法やシステム、取り組み方などを指すものです。英語ではTotal Quality Managementであり、各単語の頭文字からTQMと呼ばれています。日本では総合的品質マネジメントや総合的品質経営と呼ばれることもあり、聞いたことがあるかもしれません。

どのような歴史を歩んできたのか?

総合的品質管理は、社員全員で協力しながら品質の管理を行う全社的品質管理を前身として生まれました。全社的品質管理自体はファイゲンバウムという人物が1960年代にアメリカで提唱したものであり、その後、日本にも上陸。実際、バブルが崩壊するまでは全社的品質管理が用いられていました。しかし、グローバル化やシステム化の波によって全社的品質管理から、トップのリーダーシップをもとに品質を管理していく総合的品質管理へと変化して今に至ります。

総合的品質管理が持つ3つの対象

総合的品質管理には、「しくみ」「しごと」「ひと」という3つの対象があります。これらをそれぞれ対象とすることで個人と組織の連携を実現させ、総合的な企業の体質改善を実現。具体的には人材の育成や業務における最適な運用法の確立などによって、「しくみ」「しごと」「ひと」の質を上げていきます。

総合的品質管理が持つ3つの視点

3つの視点は自律性や目的性、仕事意識の醸成を狙ったもの。具体的には、「利益確保」「人間性尊重」「顧客志向」を基本的な視点としており、この視点をベースとして活動を行うことで会社に対する動機づけや意識向上などを目指しています。活動内容しては、日常的な業務管理や社員の主体的な取り組みへのサポートなどです。

総合的品質管理が持つ3つの特性

最後に紹介する3つの特性は、「科学的アプローチ」「プロセス重視」「組織的アプローチ」というもの。品質管理を行う社員は、科学的な手法及び方法論の活用を目指して、プロセスの重視や標準化を通じた管理などのツールを用いた活動を行います。

ISOとの関係性

ISOは国際標準化機構の略称で、製品に関する国際的な規格を制定しています。総合的品質管理はISOとの関係性もあり、特にISO9001の品質マネジメントシステムに関する規格は、総合的品質管理と同じく品質の管理をする上で大切なものです。

総合的品質管理と似ている言葉

 

最後の項目では、総合的品質管理と似ている言葉について紹介します。実は総合的品質管理と似たような言葉はいくつかあり、人によっては混同してしまうかもしれません。

統計的品質管理

統計的品質管理とは、統計的な方法を用いてデータを収集及び解析を行い、基準や標準を決めていくこと。総合的品質管理と同じく品質を管理することを目的としていますが、方法が異なるので注意しましょう。統計的品質管理はデータの収集方法や解析手法を用いて管理しますが、総合的品質管理はトップのリーダーシップを頼りに品質を管理します。

 

統計的品質管理の目的としては、問題が起きた時に何が原因で起きたのか把握するため。データがあれば、その内容をもとにして原因を追求することができ、今後の対策ができます。反対にデータが無ければ何が原因だったのか把握できず、対策を用意することができません。

 

統計的品質管理自体は、1931年のアメリカで生まれました。製造業から始まり、やがて建築業やサービス業まで拡大。日本には1950年頃に上陸しましたが、やがて時代の流れと共に統計的品質管理ではなく社員全員で協力しながら品質の管理を行っていく全社的品質管理という考え方に切り替わっていきました。なお、統計的品質管理に関してはセミナーや専門書で学ぶことができます。

全社的品質管理

他の項目でも登場した全社的品質管理とは、品質管理の内容を設計部門や購買部門など製造部門以外まで展開させて体系化させたもののこと。現在では総合的品質管理に変化し、製品の企画設計から販売後のアフターサービスまでの流れを総合的に品質管理することを狙いとするようになりました。これは、企業の活動を効果的かつ効率的に運営し、目指す目標の達成に貢献することを目的としています。

まとめ

 

今回は、総合的品質管理の基本情報や間違われやすい似たような言葉との違いなどについて紹介しました。総合的品質管理というのは、品質全般に対してその維持や向上を目指すための取り組みや手法、システムなどを指すものです。仕事によっては知っておくべき用語の一つであるため、この機会にぜひ総合的品質管理を覚えておきましょう。

 

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